きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

凍りと瀕死

おーす、みらいのチャンピオン!こんにちは!「ヒストリアカップ」主催のゴールドです。告知から2週間でなんとか定員も半分に達しましたね。まだまだ、対戦競技参加者募集中です。ともにまともに開催されてこなかった初代公式ルール再現オフで当時の真・ガチバトルを体感しましょう!

さて、この初代公式大会《第1回ポケモンリーグ任天堂公式トーナメント》ルールで最も象徴的な要素が、GB世代の「ポケモンスタジアム」ではよく禁止にされていた凍りについての制限がない*1ことでしょう。そして、この凍りが『吹雪』の追加効果によって3割の確率で発生し、凍り状態そのものも自然治癒など一切せず、火傷の追加効果のある攻撃技*2か黒い霧を受けない限りは状態が回復する見込みがないのである。

3割で凍る吹雪と3割で瀕死の一撃必殺技の比較

今回「ヒストリアカップ」に客演していただく全国大会出場者のクレアさんもコメントしているが、相手を攻撃するよりも凍らせる方が早かったという。そもそも現在のポケモンと違ってHP防御特防(特殊)のステータスの努力レベルを限界まで持っていけて、かつ、現在より技の威力が低めなので、GB世代のポケモンの耐久力はGBA以降の世代のポケモンよりとても固いのである*3そのような環境においては外れても強力なダメージ効果のある一撃必殺技のような《吹雪》は最強そのものだったのである。なお、余談だが、オフ会の歴史が始まった第二世代でも一撃必殺技の使用を制限するローカルルールが設けられたこともある。

なお、吹雪の凍りは一撃必殺技よりも以下の三点で優れています。

  • 凍らなくてもタイプ氷、威力120の強力なダメージ入る。命中率は90%
  • 自分より素早さの早いポケモンも凍らせられる*4
  • 凍りは瀕死と違って即退場しないので影分身などの積み技の起点にされてしまう

吹雪の追加効果の確率は急所発生率より高い

初代のポケモンの急所発生率は第二世代以降とは異なりポケモンの種族毎に異なり、素早さの種族値を512で割った数値となる。最も素早さの高いマルマインで急所発生率は約27.3%であり、吹雪の30%には及ばないのである。勿論、命中率90%を考量しても期待率は27%。マルマインより遅いポケモンならば、この値を確実に下回る。

瀕死よりも凍りが優れることは前述した通りであるが、ど忘れ、リフレクター、光の壁などの守りを固める状態変化を破るため、あるいは急所ダメージを引いて瀕死を期待しなければならないような場面では吹雪を選択した方が良いという場合も相手のポケモンが氷属性を持っていなければ、多々あるということである。

吹雪最強の環境下で強力なポケモン

それでは、この吹雪の最強の環境下で強力なポケモンを挙げていきましょう。

f:id:Gold:20160522022940g:plainスターミー

吹雪を覚えるポケモンの中で最も素早さの種族値が高い。S115族。3匹全員でレベル55スターミーに先制しようと思ったら50マルマイン&51サンダースorプテラ&54ダグトリオorフーディンで固めなければならないあたりが恐ろしい。

f:id:Gold:20160522023648g:plainケンタロス

吹雪を覚えるポケモンの中で二番目に素早さの種族値が高い。S110族。スターミーと違ってこれといった弱点が存在しないのが強み。レベル55のケンタロスに先制するためには以下のレベルが最低限必要になる。

  • レベル50 … S130族以上(サンダース、プテラ、マルマインetc.)
  • レベル52 … S120族(ダグトリオ、フーディン)
  • レベル54 … S115族(ペルシアン、スターミー)

3匹全員でレベル55のケンタロスに先制したいのであれば、S120族S115族は同時に組み込むことはできない。つまり、ダグドリオとスターミーを両方組み込んだ場合どちらか片方はレベル55のケンタロスに先制されることになる。S120族2匹選出は可。

f:id:Gold:20160522134149g:plainサンダース/f:id:Gold:20160522135238g:plainマルマイン

この2匹に3匹で先制しようと思ったらマルマイン若しくはレベル51のサンダースが必須になる。サンダースについてはマルマインよりも特殊攻撃力が高く、同レベルのケンタロスなら雷で2発で倒すこともできるほか、ナッシーやフシギバナにもミサイル針によって抵抗することができる。地面ポケモンで対策は容易だが、その地面ポケモンは吹雪を覚えたスターミーや眠り粉を覚えたナッシーの起点にされかねない。

f:id:Gold:20160522140755g:plainルージュラ

凍らない氷ポケモンの中で最も素早さが高い。吹雪の覚えるポケモンではドククラゲ、ラッタについで5番目。水の複合属性を持たないので電気属性の攻撃技を覚えた電気ポケモンやスターミーと対面しても戦える。スターミーには技が通りづらいが、悪魔のキッスで眠らせてから物真似でスターミーの技をランダムでコピーし、自己再生や10万ボルト、吹雪(※PPは物真似のまま引き継がれる)で善戦できなくはなさそう。ただし、レベル55のケンタロスの破壊光線で1発KOを受ける可能性が高いので手持ちのポケモンにカウンターを覚えたカビゴン*5を控えさせた方が面白いかもしれない。

f:id:Gold:20160522135703g:plainラプラス

凍らない氷ポケモン。スターミーの10万ボルトが効果抜群になるが、レベル差次第ではひっくり返すこともできる。また、ルージュラの悪魔のキッスには劣るが、30%の吹雪で無理に凍らせなくても命中率55%の歌うを選択することもできる。ケンタロスが対面で不利となるフリーザーに大変強いのも魅力的である。

f:id:Gold:20160522144137g:plainラッキー

地面ポケモンは相手の起点にされてしまうのであれば、ラッキーで電気を受けるという手段がある。ナッシーより素早さが遅いのがいただけないが、スターミーとも戦うことができる。また、電気から受ける可能性がある猛毒は状態変化で引っ込めれば通常の毒状態になり、毒のダメージも金銀とは違って1/16となるのでラッキーがスターミーの吹雪で凍るのを防ぐことができる。吹雪で30%で凍ったり、サイコキネシスで33.3%で特殊が1ランクでダウンなどでスターミー対策は安定しないので電気受けの駒として使いたい。ケンタロスの攻撃も理想値では耐えるが、厳選が非常に難しいため、あまりに能力で差をつけられると破壊光線で倒される可能性もある。

 

初代の対戦環境と言えば、どの世代のポケモンよりも運要素の振り幅が大きいことが特徴的ですが、そのような振り幅がどんなに大きかろうが、ベストな立ち回り、選出、パーティ構築を持って戦いに臨むことが私はどの世代においても大事だと思います。…というか、そのような姿勢で臨まなければポケモンバトルは楽しめないと思います(^^;

初代においては第二世代以降のような味方のポケモン同士による高度な連携戦法は催眠術→大爆発→高速移動→締め付ける以外には確立しておらず、非常にシンプルな効果の技しか存在しないため、時間のかかるコンボは存在しないので1ターン1ターンのコマンド選択にごまかしはききません。希望的観測は避け、いかにベストを尽くし詰めれるか。その辺の鬩ぎ合いを「ヒストリアカップ」では是非楽しみましょう。

*1:1997年の公式大会当時は「ポケモンスタジアム」が発売されていなかったため、ゲームシステムで追加効果発生の凍りを縛ることができなかった

*2:炎属性の攻撃技ではない。炎の渦のみ解凍対象外。

*3:実は初代考察記事初期に投稿した影分身もこのような理由から強いともいえる

*4:初代の一撃必殺技は自分よりも素早さの高いポケモンには効果がない。なお、先攻でなければ技が失敗するではない。ちなみに第二世代以降とは異なり、レベルは関係ない。

*5:破壊光線の反動のターンでもカウンターで返せる