きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

わたしのシングルバトル感

スマートフォン向けのサイト構築をするスキルがないため、スマートフォン表示に対応した「はてなブログ」に『パーティ構築概論 for Nintendo Cup 2000』を今風にアレンジした形で再掲する。

これは私の考えるシングルバトルの理想論である。この概論は大元がニンテンドウカップ2000とあるよう私は金銀世代で現役引退した人間で、第四世代、第六世代のガチ対戦も多少は嚙ってはいるものの、見当違いなことを言ってるかもしれない…が、自分が20年の間見てきたシングルバトルの作法を整理するために書いた

はじめに:『おまえの目的は勝つことだ

僕が尊敬する元ポケモンリーグ任天堂公式トーナメント全国大会ベスト4のご兄弟の方*1が良く仰っていたことなのだが、これをどんな時も忘れてはならない。パーティを組み始めるとき、まず、コンセプトを決めることが大事だが、それ1つの勝ち筋にばかり固執して組んでしまうことがある。確かに対戦で立ち回るときは最良の勝ち筋となる手段を見極める必要はあるだろうだが、構築中に勝ち筋を限定して失敗してはならない。夢物語のような話なのかもしれないが、取れる勝ち筋は多い方が理想的だ。『おまえの目的は勝つことだ』。

公式のシングルバトルとは?

1997年発足の公式戦においては持ち寄れるポケモンは、パーティは6匹まで、戦闘に参加できるポケモンは3匹までという決まりがある。たったこれだけの枠で700を超えるポケモン達と有利に戦う必要がある。そのためにはより強いポケモンを採用していくのが近道だろう。ダブルバトルトリプルバトルなら隣の味方がカバーしてくれることもあるが、シングルバトルでは自分しか頼れない。シンプルな強さが光やすい環境にある。

公式シングルバトルを理解するための3つのステージ

これは私のシングルバトルにおける持論だが、以下のようなものがある。

  • 1対1《対面》を理解して『木』を知る
  • 2対2《交代》を理解して『林』を知る
  • 3対3《選出》を理解して『森』を知る

木を見て森を見ず》とならないようなアプローチをしていきたいと常々考えている。これらの知恵を踏まえた上で最終的に行き着くところは『環境』を知るでありたい。

1対1のシングルバトル《木を見る》

1対1は通常のシナリオでデフォルトの入れ替えモードで相手のポケモンに対して有利対面を常に仕掛けられることが前提。このデフォルトの入れ換えモードは新登場するポケモンのタイプなどをはじめ、有利対面を反復して覚えるのに非常に優れたシステムだと感心している。まずはこの基本をシナリオでは使ってこない技マシンや教え技、遺伝技の拡張技や持ち物なども考慮して丁寧に理解することから始まる。

2対2のシングルバトル《林を見る》

2対2通信対戦で基本となる勝ち抜きモードで対戦することで初めて考えなければならないこと。不利対面と分かるときに、そのまま戦ってみすみす倒れるのか、それとも1ターン相手から技を一方的に受けてでも交代するのか。それぞれの選択をしたことが不利とならないためにはどのようなことを知っておくべきなのかを知ることだ。役割理論に代表される受け流しサイクル云々の話、役割論理に代表されるダメージレース云々の話、捨て出しからの展開構築起点構築っぽい話まで諸々解説する。

3対3のシングルバトル《森を見る》

3対3公式レギュレーションでのシングルバトルを取り組む上で初めて考えなければならないこと。感覚的な話かもしれないが、ある程度経験を積むと特定の3匹を出されると間違いなく負けるということが選出段階でなんとなく分かってくることがある。そこでその3匹の組み合わせを出されようものなら、たった1匹のポケモンで一網打尽にするようなポケモンを採用する方向でのアプローチを考える。覚えられる技の幅が広がりつつある新作の対戦環境において私が衝撃を受け、寧ろ金銀に持ち帰ったことをアウトプットする。

この3種類を黄色で色分けしているのは、Nintendo64のコントローラのボタンの色を当てはめている。

ピカチュウN64コントローラ オレンジ N64

Aボタンを使いこなす、Bボタンを使いこなす、特定の状況において相手のCボタンユニット(相手のすべての選択肢)を全部潰すといった感覚で配色している。

おわりに

これはあくまでシングルバトルの要素を自分なりに分解した理想論に過ぎず、対戦の勝利を約束するものではない。まだまだ、複雑に絡み合って自分の頭の中では言葉にできていないような強さというのはきっとある。そして、自分は賢くないので、実践で得られる経験値は絶対に机上論を超えるとも思っている。実践で得られる発見は自分が見落としているポケモンバトル感を高める特効薬になると信じている。

自分が少年だった頃から20年。これを書いてる今現在は20年前の対戦を大人になって見直しており、当時の見落としていた強さを知ることに熱中している。また、その一方でこれから第七世代に突入し、30年に向けての新たな10年が紡がれるポケモンバトルの文化の健やかな成長を一ファンとしてこれからも見守っていきたい。

*1:Hidakaさん。1999年の公式大会ベスト4野並萌さんのお兄さん