きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

VC版ポケモンを用いた対戦会運営について

バーチャルコンソールでの大会の運営の仕方について新年早々質問があったので、これまでの大会のノウハウと今後の展望についてまとめました。小数点や《うら》など自分以外の方に主催をお願いする機会も増えたのでまとめておきました。

第4回までのヒストリアカップの趣旨とルール

経験豊富なスタッフ、一部の熱心な協力者の意見を聴衆しながら、以下のルールを作成した。初代・金銀という世代で対戦オフを考えてる方は是非参考にさてもらえればと思う。

バーチャルコンソールでやる意味

  • 現在店頭販売されているNintendo3DSシリーズ*1であること
  • GBと違って無線通信(通信ケーブル不要)
    会場の通信人数が多いと対戦中の通信エラー問題が頻発するのが欠点
  • GBと違って乾電池不要の充電式 → 延長コードがあれば問題ない
  • ポケモンスタジアム』は総当たり戦に不向き。投影するモニター、ニンテンドウ64本体一式、64GBパックが参加人数分必要となる。
    →金銀時代のポケスタを用いた昔のオフではトーナメントしかできなかった。負けた人はフリー対戦しかできないでは面白味に欠ける

影分身や一撃必殺技を使用禁止にしない理由

  • ゲスト及びスタッフに当時の公式の全国大会出場者がおり、97年と2000年それぞれの当時の公式大会当時の対戦環境の再現にこそ意味があると思ったため
  • 抽選で選び抜かれたものしか参加できなかった公式大会の場を環境を再現することに意味があると思ったため

当時未発売のバージョンを許可する理由

  • ピカチュウ版の発売は『ニンテンドウカップ'97』開催後の1998年8月だが、金銀以降の教え技ほど大幅な変化がないこともあって、ピカチュウ版以降で覚えられる技(※リザードンの空を飛ぶ、カイロスの締め付けるetc.)の使用も認めている。
  • ニンテンドウカップ2000』もクリスタルバージョンで覚えられる技は発売後の全国大会では使えなかったそうである。実はそもそもレギュレーションの中で使用できるカートリッジは「赤・緑・青・ピカチュウ・金・銀」の6つと明言*2されており、クリスタルバージョンを含むものは正確には『ニンテンドウカップ2000』ではなく《ポケモンスタジアム金銀》の『ニンテンドウカップ』が実は正しい。

凍りのルールについて

  • ポケモンスタジアム』以降は相手を2匹凍りにすると負けだが、当時の全国大会出場者(関係者)の記録を元に『ニンテンドウカップ97』の凍り禁止のルールは撤廃。
  • 変化技のみで発生の眠りと違って、攻撃技の追加効果のみで発生する凍りの制限は難しく、凍らせた瞬間に吹雪、冷凍ビーム実質使用禁止では大幅に立ち回りが変わる恐れがあったため。ただし、金銀の『ニンテンドウカップ2000』では当時のルールの文言で禁止と明示されているため、これを適用している。

眠りのルールについて

  • 2匹眠りの禁止ルールについては当時からあり、これの細かい裁定については『ポケモンスタジアム』シリーズを任天堂の公式見解と捉え、相手の手持ちに眠り状態のポケモンが控えにいる時、自分の技で相手を眠らせられなくなる仕様がないため、その状況で相手を眠らせたら反則負けとした。→これはよく勘違いして反則負けする人が多いため、事前に主催がアナウンスすることを推奨。
  • 眠りにしてから瀕死にして、眠りにしてから瀕死ならOK。
  • 後述のポケモンセンターでの回復必須もこれを単純化するため実施している

引き分け時の裁定

  • 基本的には『ポケモンスタジアム』の裁定と同様。

続行不可

  • 変身してないメタモン同士で変身ミラーになった時点で残りポケモンの体力とその割合で判定。
  • 赤緑青でポイントアップを使用すると悪足掻きが繰り出さなくなる仕様があったため、ピカチュウ版の方が事実上有利になることはこちらから広めた上で、それによる続行不可とみなし、反則負けとなる。
  • スマートなのはピカチュウ版での対戦に統一が理想。

非同期について

  • ピカチュウで締め付ける状態と自分のターンの終了時判定が異なり、非同期が起こりうる。バージョンを1つにしぼれば簡単だが、赤緑青発売済みの公式大会当時も非同期が発生しうる環境にあったはず故、非同期になった場合も対戦を続行させる形をとった。
  • このほかに『カウンター』や『サイコウェーブ』『ふくろだたき』を使用した場合も非同期が発生する場合がある。

通信エラーについて

  • 再現ができるなら再現。できなそうなら再試合。

バグと仕様の線引きについて

  • 『ピッピにんぎょう』によるガラガラの幽霊成仏、石像波乗りなど小ネタ的なものから様々な不具合のあるゲームである故、敢えてこちらから禁止のものを列挙するようにしている。
  • 「Nintendoスタジアム」に習って決勝進出者の能力値を報告、ウェブサイトに公開し、厳選した個体がバグと疑われるか否か、それが周囲から叩かれるかどうかは自己責任をとらせる形を採用している。
  • ただし、金銀版では孵化厳選により理想個体値の入手がし易くなったため、それをパラメータで疑えるような状況ではなくなりつつあり、金銀以降は参加者の良心に任せざるを得ない状況である。

エントリーシートについて

  • パーティの技構成や持ち物の変更を禁止する場合、予選開始前にエントリーシートをスタッフに提出させる。
  • 毎度チェックするのは時間を取るので、人数が絞られた決勝進出者からデータの変更がないか確認する。これはカロスマークチェックなどで現行世代でも取り入れられている手法である。

試合時間

  • 対戦の時間をゲーム内で設定できないため、『目安』というアバウトな言葉しか使えなかった。
  • 第4回以降は対戦開始時間を総当たり表に書かせ、制限時間を過ぎた時に話し合いで決着を付けられるようにしている。体力の判定などでスタッフが決着を付けてしまうとTODなどを見落とし誤った裁定を下す危険性があるため、当事者間で決着を付けられるようにし、揉めて時間を潰して対戦の未消化を発生させれば、全敗になって予選を抜けられないようなルールにしている。これは現行世代のシングル全国オフ『真皇杯』を参考にしている。

スクリーン投影

  • 3DSをキャプチャーできるもの(所謂偽トロ)が必要。ただし、VCはゲームカードではないので、片方のプレイヤーは偽トロへ選出するポケモンの通信交換が必要になる。
  • 偽トロ側のプレイヤーの技が見えてしまうので、偽トロでないプレイヤーはスクリーンに背を向けさせる必要がある
  • 手持ちのステータスの詳細を試合中に確認するとポケモンの鳴き声で選出がばれるので基本ステータスを確認しないように伝えること
  • ポケモンを入れ替えてから『つうしん たいきちゅう』となって偽トロ側の交代がバレるので、偽トロでないプレイヤーから先に入力させて、それを偽トロ側に伝達するスタッフが必要になる
  • 実況・解説は手前側の対戦の情報をばらさないように注意すること

今後のヒストリアカップの展望

ここ2年間はVCのリリースに合わせて当時の対戦環境を再現することに拘ってきたが、今後はVCの通信機能を遊び尽くす方向での設営を目指す。

2018年:初代と同様、3回は連続して金銀開催

  • 春夏?『ヒストリアカップ5 Marvelous Combination!(仮称)
  • 秋冬?『ヒストリアカップ6

クリスタルバージョン追加の『ニンテンドウカップ』を実施。前回大会にクリスタルが有りになっただけ。一撃禁止は《うら》に任せる。2018年は金銀に集中。

2019年:『ヒストリアカップ7』以降より初代と金銀を交互で開催。

  • 初代:『にんてんどうかっぷ』→環境が煮詰まったので、逆輸入解禁。
    • コロシアム2の「にんてんどうかっぷ」での対戦(仮案)
      • 眠りの持続ターンは1~3
      • 吹雪の追加効果の確率は10%
      • ピカチュウ版限定で拘束の非同期を回避
      • ピカチュウ版限定で「ポイントアップ」の続行不可回避
      • 金銀版との差異をなくすため、凍り2匹も禁止にする?
    • 金銀逆輸入OK(※催眠術ペルシアン、各種パンチフーディンetc.)
    • 金銀技忘れ親父によるスロット数OK(※技を4つ採用しない etc.)
  • 金銀:『ニンテントウカップ』→第5回以降と同様

*1:現在はNintendo Switch移行につき、3DSの生産は中止。2DSのみ生産中

*2:https://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_np3j/league/