きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

自爆で目指す5つの試合運び

 トランセル種市氏が『64マリオスタジアム』の番組内にて手持ちが1匹のときの自爆大爆発は反則であるというルールが設けられて22年になり、今もなおそのルールが公式戦では採用されているわけだが、このルールを最も意識する世代は恐らくそれが設けられた第1世代ではなく、第2世代の対戦環境であるだろう。

 第2世代では自爆と大爆発の威力が更に強化され、前作で自爆技の一番の不安材料だった影分身も弱化している*1。また、このルールに当時初登場した滅びの歌と道連れも加わるが、これらもカビゴン対策の定番であるムウマを筆頭に第2世代で頻繁に見かける技である。

 これらのひきわけが狙えてしまう戦法はそれだけそれを狙いやすいことからこのような制限がされる程強い技なのだが、自爆技をどのように巧く使ってゲームを組み立てるかということについて、これまであまり書いてこなかった気がするので、書き残しておこうと思う。

【A】一騎討ち

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 自爆、自爆で共倒れにして55エースで1on1を仕掛ける動き。最後のポケモン同士でジャンケンを仕掛けるため、この中で一番頭の悪そうな自爆の使い方に見えるが、55エースが相手のパーティのほとんどに刺さっていて、絶対有利なジャンケンになることが分かっているなら有効に働く立ち回り(戦略的運用)となりやすい

 55エースのポケモンで相手のポケモンに殆ど有利であっても、3匹相手にすると流石に過労死する。…でも、1対1なら絶対勝てる。こういう場面で向いている。それができてないとただのジャンケンをすることになる。如何いう試合内容でも勝ちは勝ちであるが、ラス1ジャンケンになる試合運びの対戦ログから学べることはそれほどなかったりする。

【B】後始末

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 私が自爆系統のパーティで好むゲーム展開は、先述の一騎討ちよりも寧ろこちらである。受け回しの中で1匹倒したあと、数的有利を維持したまま、自爆によって後始末をするという動かし方である。

 受け回しの中で相手に穴を開ければ、そのまま押し切れるのではないか?…と思われがちだが、苦手な相手を突破するためには、それなりの代償を伴い、元の役割をこなせないぐらいHPやPPが削れている場合がある。

 僕がこれに出会ったのは、日本晴れ&大文字ファイヤーだった。ファイヤー自体受け回しには全く向いてないステータスなのだが、ナッシーの眠り粉などから無理やり出番を作り、短期的な受け回しの中で穴をあけて、最後に自爆・大爆発で詰めるのだ。

 ファイヤーで穴をあけても、何故そのまま詰めれないかというとファイヤーでの受け回しがそもそも必死であることと、メインウェポンの大文字のPPが少ないからである。ファイヤーの日本晴れ大文字で1匹は突破できるかもしれないが、3匹全員の残り体力を0にするにはPPが足りないのである。そこで自爆、大爆発に目をつけた天才*2がいたのだ。役割理論の受け信仰が強かった当時、あまりにも噛み合い過ぎていたこのシステムにその当時私は度肝を抜かされた。

 そして、この発展系として、昨年11月の『第6回ヒストリアカップ』の決勝戦*3のゲームメイクがある。数的有利を先にとっていれば自爆自爆による後始末に拘る必要はなく、2匹目の自爆は滅びの歌(道連れ)を使って〆ても良いのである。

【C】生贄召喚

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      ▼▼

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 これはリフレクターや光の壁、日本晴れ、雨乞いといった場の状態を味方にノーダメージで引き継がせる動きである。ターンカットの仕様を活かした立ち回りもこれに絡めて見かけることが多いだろうか

 当時最も影響力の大きかった金銀対戦のコミュニティで腹太鼓カビゴンをローカルルールで禁止していたため、約20年の金銀対戦の歴史の中でもこのような運用が発展したのは凡そ10年前で、当時現行世代の第四世代でドータクンがトリックルーム→大爆発で大活躍していた頃だったと記憶している。

 その当時現行世代と金銀の両方の対戦をやってる人は少なかったと記憶しているが、たまたま一撃必殺と腹太鼓解禁の大会を自分が主催し、ケンタロスの一撃必殺の試行回数を稼ぐために注目され、それが破壊の遺伝子ケンタロスやガラガラのバトン役のドーブル、腹太鼓カビゴンに応用されている。

【C】役割集中(間接的役割破壊)

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 カビゴンの自爆で相手のカビゴン倒して、サンダー対策を兼任していたカビゴンがいなくなったところを突いて、サンダーを通すといったようなパターン。これこそが受け回しでの自爆の頭の良い使い方だ!…そんな時期が私にもありました。笑。

 …でも、これはそれが分かった上でマンマークされると実は成り立たない。カビゴンと戦うポケモンはムウマ、サンダーと戦うポケモンはカビゴンと分かってる相手には通用しない。希望的観測の過ぎた戦法である。

【E】自爆技に依存した対策

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 ムウマの滅びの歌道連れでカビゴンを対策するように、ゴローニャの大爆発でカビゴンを対策する…といった形で使われる。黒い眼差しに代わる技はないが、大爆発だけで圧力がかかり、相手を退場させてサイクルを回すことができる。

まとめ

 ターンカットだの起点回避だの負け筋を潰す動きも含めれば更に細かく分けられるが、勝ち筋となり得そうな動かし方は大体この5パターンである。自爆にお困りの方は、相手の自爆技で何を狙ってるかが分かるようになると多少は自爆に対応しやすくなるのではないかなと思います。

スーパーマルチタップ2 SFC コントローラー 5個 スーパーボンバーマン5 セット

これら5つのすべての線を頭のなかに入れて立ち回りたいものです。

 

*1:第1世代の通信対戦環境では身代わりを自爆技で壊しても瀕死にならない

*2:その人物こそが私の尊敬するトレーナー、Hidakaさんだった。

*3:【ポケモン金銀VC/任天堂杯2000】第6回ヒストリアカップ決勝戦『ゴールド VS ビーン』 - YouTube