なんか少し前からトリプルエースっていうのが流行ってるらしいのです。TA!TA!とか連呼してる人はタイムアタックとかの意味ではなくトリプルエースのことを言ってるみたいです。ダブルエースをDAとか全然言わないみたいだけどね(^^;
このレベル編成ってカルテット*1みたいなネタ編成じゃなかったっけ?…と思いきや、今ではわりと真面目に使われています。
事の発端は2013年の1月の小規模大会で優勝したmario氏のレベル55のガラガラ・ケンタロス・サンダーをエースに添えたトリプルエースのパーティでした。そしてその1年後の小規模大会でほぼ同じパーティで私が優勝したことでトリプルエースは今やシングルエース、ダブルエースに匹敵、あるいはそれを超える人気コンセプトとなっています。
競技人口がかつてより少ないトーナメントなので運良くトーナメントを通過しただけなのかもしれませんが、ユーザーレベルの質が保たれるよう努力してきたつもりなので、ちゃんとその強さの構造を簡単に解説しましょう。
取り巻きは相打ちを狙える自爆ポケモン
mario氏のトリプルエースの特徴は低レベルのポケモンがすべて自爆・大爆発を使えるポケモンです。これは自爆ポケモンの相打ち(いわゆる1対1交換)性能が高いためです。勿論、マルマインのように相打ち性能の高くない自爆ポケモンが採用されることもありますが、基本的にはジャンケンであいこ以上を狙えるポケモンで固めるわけです。
エースは強いグー、強いチョキ、強いパー
3匹のエースは強いグーであり、強いチョキであり、強いパーであることが多いです。ただのグー、チョキ、パーではダメです。ポケモンにあいこは滅多にないので、「強い」が条件として大事です。3対3のサイクル戦においても選出した3匹それぞれが相手の選出したポケモンの2匹ずつに強い方が理想的ということをかつて書いたのですが、展開の軸となるエースでも同じですね。ある程度経験を積むと「Σあ、この3匹で選出するとこの3匹で出されたら負ける」というのが選出でなんとな〜くわかってくるものです。公式ルールで重要なのは3対3の「選出」で勝つことであって、いわゆる複数エースでの対戦の場合は選出時にジャンケンのような感覚にきっとなるだろうというのが私の第一印象でした。
ダブルエースに比べると取り巻きの選出枠は狭まりますが、相手に与える選出のプレッシャーは凄まじく、こいつの対策を選出したいが、こいつでこられると腐って役に立たなくなり、希望に沿わない場合に数的不利で負けに直結するという場面が圧倒的に増えるわけです。こういった現象は既に6匹でもすべてのポケモンの受けが用意できない金銀以降の作品で既に起こっています。これを私は金銀リメイクのWi-Fiシングルのランダム対戦で学び、金銀にそこへの回答を逆輸入しました。
そこでかつてのようにこいつはそれに弱いからそれに受け出しできる駒を入れようではなく、こいつら3匹の組み合わせを使われたら代わりの効かない対策が腐って数的不利になるので、この3匹セットを出されたら1匹で圧倒できるいわゆる刺せるポケモンを入れようという具合に変わってきました。
今、重要なのは受け性能ではなく対面性能です。だから受け性能は高いが、対面性能の低いハピナスやエアームドは軒並み評価が落ちていってます。絶対的対面性能*2の頂点に君臨するのがLv.55のカビゴンで、相対的対面性能の高いポケモン*3が刺し役としてトリプルエースに使われていくというのが現状です。
トリプルエースの弱点と課題
トリプルエースへの対策はタイプの異なるエース3匹を刺せるポケモンよりも取り巻き3匹を刺せる駒を用いる方が楽です。エースはレベルが高い分こちらも対策にかけるコストが非常にかかるのは当然ですが、エースは2〜3匹同時に出てくることはないので、2/3は選出確定の取り巻きの3匹を早期に抑えて数的有利を取ることが大事です。ただし、自爆・大爆発で相打ちになった場合は受け出しで任せた敵さえ倒せば良いという昔の受け理論のような正解はもらえません。刺す役の役割は1匹以上先に倒して数的有利を取ることです。
では、具体的にどういったポケモンが自爆・大爆発での相打ちを阻止しつつ、数的有利を取れるかといえば、以下のようになる。
- 自爆技と相性の悪い寝言を持っていないことを信じて眠り技で眠らせて刺す
- バンギラスのような自爆耐性があり、その他の技を使われても対面で勝てる駒で刺す
- 自爆役に対して対面で身代わりを残せるポケモンで起点にして先に展開する
- 刺せる駒で甘えるやリフレクターを張りながら戦う。
こんなところでしょうか。この要素のどれかひとつを入れれば良いというわけではなく、この複合で有利を取りに行ったりが多いでしょうかね。例えば、バンギラス&眠り粉フシギバナなどがそうでしょうか。
ちなみに今、バンギラスが強いのはこれに加えて絶対的対面性能の高いLv.55の鈍いカビゴンに対して寝言型なら起点にでき、現状取り巻きに良い寝言役が見つからない寝言を持たないカビゴンに対して自爆役で唯一催眠技の使えるナッシーがバンギラスの起点を作って暴れられる状況にあるためです。ちなみに取り巻きの寝言役は技範囲が狭まり、起点にされやすくなります。
まとめ
さて、うまくまとめられてないのですが、まとめです(^^;
- トリプルエースの取り巻きは能動的に相打ちの狙える自爆・大爆発役を採用
- トリプルエースの取り巻きを刺してくる駒を起点にするエースをできれば入れたい(バンギラスに強く、催眠にある程度強くetc.)
- 3匹のエースは強いグーであり、強いチョキであり、強いパーであること(当たり前だが、そうである以上少なくともグーかチョキかパーのいずれかの枠組みの頂点的な存在である絶対的対面性能の高いカビゴンに有利なエースは当然必須。そしてもっと基本的なこと言うとエース3匹で246匹にラス1対面で勝てなきゃアウト)
- グーはチョキに勝つが、パーには負ける。完全に条件が同じグー同士はあいこで運だが、強いグーなら弱いグーに負けない。グーならなんでも良いわけではなく強いグーであること。そうでなければ自らがエース選出で困る。
- おまえは選出で困るが、俺は選出で困らないを狙う