きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

鈍いのはなし

 鈍感なワケじゃないんです。動きが"のろい"のです。「のろい」はゴーストポケモンとそれ以外のポケモンでは効果の異なる技で、ゴーストの呪いは自分の最大HPの1/2を消耗して相手を呪い状態にし、それ以外の鈍いは自分の素早さを1ランク下げる代わりに自分の物理攻撃力と物理防御力を1ランクアップさせる技です。金銀クリスタルでは技マシンになっており、ほぼ大半のポケモンが覚えられる技としてとても有名です。…で今回は後者で大半のポケモンが当てはまる鈍いについてのお話です。

 鈍いの効果は第三世代以降の「ビルドアップ」の劣化になります。こちらは素早さを1ランクダウンさせるデメリットがありません*1。この技が登場して、技マシン化した当初は森本さんが発売直前まで調整したとかいう鈍いのバランス調整とはなんだったのかヽ(`Д´#)ノ …と憤慨しておりましたが……げふんげふん。話題が逸れました…(^^;;

鈍いは鈍いでランク差0にして対策できる

 鈍いは素早さランクを下げるため、受け出ししたポケモンがもともと相手より遅かった場合はよっぽどその差が大きくない限りは先制でき、次のターンの先攻で鈍いを積むことでランク差を0にすることができます。
 ランク差0のままなら攻撃側の攻撃力も防御側の防御力も同じだけ倍にするのでダメージは変わりません。よって敵の鈍いに合わせて鈍いを積むというのが鈍いに対する安定した立ち回りとなります。ちなみにこれは技マシンで一部のポケモンが覚えられる自己暗示でも同じことが可能です。
 鈍いは剣の舞や腹太鼓のようにこれだけ積めば、受け出しを許さないってレベルの積み技ではないわけです。しかし、吠えるで相手の鈍いの能力変化だけが残って自分の鈍いの能力変化だけリセットされるときは対策にはならないんですね。これが鈍い吠えるコンボが注目された理由でもあります。

ランク差0以外の罠

 なお、ランクの差が0以外の場合はダメージが同じにはなりません。ランク差0のときのダメージに対して双方の能力変化でどれだけのダメージになるかが重要です。
ダメージ計算本体 = 技の威力×(レベル×2/5+2)×攻撃力/防御力/50
 ポケモンのダメージ計算式は掛け算と割り算の集まりなので、攻撃力の能力変化はこの計算式にそのままかけて、防御力の能力変化はこの計算式に割ります。これでランク差0とのダメージの比較ができます。
 
 例えば、同じランク差-1でも…
  Aランク±0とBランク+1の場合
  Aランク+5とBランク+6の場合
…は全然結果が異なります。
 
前者はダメージ計算式に2/2をかけて3/2をわるので2/3倍、
後者はダメージ計算式に7/2をかけて8/2をわるので7/8倍です。
これを小数に直してあげると…
2/3はランク差0のときの0.666倍
7/8はランク差0のときの0.875倍
です。
 
 55カビゴンミラーのランク差別のダメージ計算結果をこちらにまとめました。枡をナナメに見ると同じランク差でもダメージが異なるのが分かりますね。
 
同じランク差でも…
鈍いランク差がマイナスでも自分のランクが高ければ高いほど、ダメージは大きく、
鈍いランク差がプラスでも相手のランクが高ければ高いほど、ダメージは小さくなります。
 
 故に食べ残し装備の55カビゴンミラーでは素早さを-6ランクまで下げずに鈍い5回から攻撃に転じる方が良いと言われています。ちなみに55カビゴンの鈍いとは誰かの対策の手段としてではなく、ミラーマッチを有利に進めるために採用されます

鈍いは自爆の天敵のリフレクター対策

 他にも自爆にとって相討ちをし損ねるリフレクターに抵抗する手段として使われることもあります。急所引くまで試行回数重ねてらんねーよヽ(`Д´)ノウワァァァン!!っていう場合に使われます(^^;
 リフレクターから他のポケモンに受け出しして鈍いを積んでこようものなら、鈍いの積み合いの中でリフレクターの持続ターンが切れるのを狙ってランク差0にして自爆で相討ちにしてやりましょう。
 ただし、1度きりのリフレクターには通用しますが、物理攻撃力ランクを2ランクダウンの甘えるには弱いですね。この辺は腹太鼓に軍配が上がりますね。

まとめ

 のろいが技マシンとなってるのは第二世代のみです。それ故結構お目にかかる技なのでなんとな〜く入れてしまいがちですが、その技の明確な採用理由や使い方はおさえておくべきだと思います。金銀の常識。おわり。

*1:第三世代ではトリックルームもないし、先攻の吹き飛ばしと吠えるは失敗しない