きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

2対2のシングルバトル

通信対戦はシナリオでデフォルトの入れ替えモードではなく、勝ち抜きモードになる。その際、不利対面となったとき、場のポケモンがみすみすやられて瀕死になるのを待って交代するのか、それとも1ターン相手から一方的に技を受けながらでも控えのポケモンに入れかえるか。どちらの手段を取るのがベストか、どのようにすれば、手段として機能するかを探っていくのが、このステージBとなる。

2種類の交代方法

まず、場のポケモンの交代方法には大きく分けて2種類ある。

捨て出し*1
  1. 交代前のポケモンは … 瀕死になる
  2. 交代後のポケモンは … ダメージを受けずに交代
受け出し*2
  1. 交代前のポケモンは … ダメージを受けない
  2. 交代後のポケモンは … ダメージを受けて交代

捨て出し《スコアの倍返しを目指せ!》

捨て出しは後続のポケモンを未来予知、破滅の願い以外の相手の技を受けずに場に繰り出すことができるが、その代わりに交代前のポケモンを犠牲を伴う。

捨て出しの目的

場に出ているポケモンが何の役目も果たさない内に瀕死になる以上は後続のポケモンが生贄となった分の相手を倒してもらう必要がある。少なくとも2匹、理想的なのは手持ち3全員倒してもらわなければ採算が合わない。

捨て出しで繰り出す理想的な後続

捨て出しの後続として繰り出す理想的なポケモンとしては、相手の場にいるポケモンを起点にすることによって1匹で無双できる、あるいは無敵化できるコンボが組みやすいものが理想的である。コンボの組み方には大きく分けて2種類のタイプがある。

積み展開

→先攻でワンキルを決め続けて、ダメージを受けない。

第一世代

  • ど忘れ(第一世代限定でとくこう↑↑とくぼう↑↑
  • 剣の舞(こうげき↑↑
  • 電光石火(優先度+1

第二世代

  • 腹太鼓(こうげき↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
  • マッハパンチ(優先度+1
  • 神速(優先度+1→第五世代以降優先度+2
  • 【持ち物】破壊の遺伝子(こうげき↑↑

第三世代

  • 蛍火(とくこう↑↑→第五世代以降とくこう↑↑↑
  • 竜の舞(こうげき↑すばやさ↑
  • 【特性】加速(すばやさ↑)+攻撃力ランクアップ技

第四世代

  • 悪巧み(とくこう↑↑
  • アクアジェット・真空波・氷の礫・バレットパンチ(優先度+1
  • 不意打ち(優先度+1

第五世代

  • 蝶の舞(こうげき↑とくこう↑すばやさ↑
  • 殻を破る(こうげき↑↑とくこう↑↑すばやさ↑↑ぼうぎょ↓とくぼう↓
  • フェイント(優先度+2

第六世代

  • ジオコントロール(とくこう↑↑・とくぼう↑↑・すばやさ↑↑*3
  • 水手裏剣(優先度+1
  • 【特性】疾風の翼(優先度+1
嵌め展開

敵の攻撃技を全部回避して、一方的にダメージを与える

身代わりを残すことで盾を作る ← 食べ残し第二世代

  1. 自分の回避率をアップ
    ・影分身(回避率↑+ 丸くなる[第二世代] + 転がる[第二世代
    ・小さくなる(第五世代以降回避率↑↑+ 瞑想[第三世代] + アシストパワー[第五世代
  2. 相手の成功率をダウン
    ・命中率ダウン
    ・麻痺
    ・混乱(威張る[第二世代 + イカサマ[第五世代])
    メロメロ[第二世代

受動的な捨て出しと能動的な捨て出し[起点構築と展開構築?]

不利対面で場に居座ってその場の勝負を捨てることを捨て出しと称したが、何も相手に殴ってもらって退場する必要などはない。特定の技を選ぶことで自分から瀕死になって退場するという方法もある。

自分のコマンド選択で自分を瀕死にする技
  • f:id:Gold:20161002084228g:plain自爆・大爆発(で引き分けにならない時)
    前者200・後者250の威力の攻撃技*4。第四世代まで相手の物理防御力を1/2にして計算する。
  • f:id:Gold:20161002084544g:plain呪い(最大HPの1/2以下のHPのゴーストポケモンが使用時)第二世代
    毎ターン最大HPの1/4を削る*5要塞型と相性が良い
  • f:id:Gold:20161002085130g:plain置き土産第三世代

    相手の物理攻撃力&特殊攻撃力を2ランクダウン*6無双型と相性が良い
  • f:id:Gold:20161002084044g:plain癒しの願い・三日月の舞第四世代
    後続のHP、瀕死以外の状態異常を全回復する。後者はPPも全回復する。
  • f:id:Gold:20161002085813g:plain命懸け第五世代

    この技を使用時の自分の現在HP分の固定ダメージを与える。要するに我武者羅の効果が付く。

これらの他に捨て身タックルや命の玉の反動ダメージなどで瀕死になったり、第一世代限定で最大HPの1/4の現在HPのとき、身代わりを繰り出すなどもこれに該当する。

ちなみに能動的な受け出しも受動的な捨て出しもどちらも良いところがあり、以下のようなメリット・デメリットがある。

  • 能動的捨て出し《この色が強いと展開構築と呼ばれることもある?》
    • 自分で瀕死になるタイミングが … 掴める
    • 後続の起点になる敵ポケモンが … 掴めない
      → 相手が殴らずに交代してしまうと後続の積みの起点となる相手が別の相手になる
  • 受動的捨て出し《この色が強いと起点構築と呼ばれることもある?》
    • 自分で瀕死になるタイミングが … 掴めない
      → 相手がなかなか倒してくれず、相手の無敵or要塞コンボの起点になる危険性も有る
    • 後続の起点になる敵ポケモンが … 掴める

受け出し《役割意識の温存戦略》

受け出しは不利対面のポケモンが追い打ち以外の技を受けずに回収する代わりに後続のポケモンに技を受けてもらう。

受け出しの目的

不利対面となっているポケモンにはまだ果たすべき役割があり、それを瀕死にしてしまうとき、大きな負け筋となる判断される場合のその場凌ぎとして使われる。対策する要素があまりにも増えすぎた現在であれば、捨て出しの流れを組めないときのその場しのぎと言えるかもしれない。

受け出しで繰り出す理想的な後続

受け出しが機能するには入れ替え時に受けるダメージを受けてからでも、なお、対面で勝てるようなポケモンが望ましい。

受け出し合戦(サイクル戦)を制するには?[役割理論と役割論理?]

シングルバトルの公式レギュレーションで持ち寄れるのは3匹。お互いに不利対面のとき、受け出しを繰り返すとき、同じようなループが繰り返されることがある。これを古くは受け合いなどとも呼ばれたが、最近ではサイクル戦などと呼ばれる。これを制するためには何回そのサイクルを回せるのか、つまり、何回受け出しできるのかが重要になり、サイクル単位で受け出しできる回数少ない方から先に倒れて穴が開き、サイクルの穴を埋められずに負けとなる。このことをダメージレースとも呼ばれる。

これを有利に進めるには2つの方法がある。

  • 自分が受け出しできる回数を増やす《この思想が強いと役割理論と呼ばれ易い》
    • 体力回復技
      • 自己再生・卵産み
      • ミルク飲み[第二世代
      • 怠ける[第三世代
      • 回復司令[第四世代
      • 朝の日差し・光合成・月の光[第二世代
      • 眠る
      • 願い事[第三世代
    • 持ち物 
      • 食べ残し・毒ポケモンの黒いヘドロ
      • オレンの実(木の実)、木の実ジュース
      • オボンの実
    • 特性 
      • 再生力[第五世代]
  • 相手が受け出しできる回数を減らす《この思想が強いと役割論理と呼ばれ易い》
    • 追加ダメージ
      • 状態異常(毒・火傷)
      • 場の効果
        • 撒きびし[第二世代
        • 毒びし・ステルスロック[第四世代
        • 砂嵐・霰[第三世代
      • 接触攻撃限定
        • 【特性】鮫肌[第三世代]・鉄の棘[第五世代
        • 【持ち物】ゴツゴツメット[第五世代
    • 連続1ターン限定で使用するならリスクが小さく、リターンが大きい
      • 馬鹿力・オーバーヒート・リーフストーム・サイコブースト[第三世代
      • インファイト・流星群[第四世代
      • 気合パンチ[第三世代
      • 【持ち物】拘り鉢巻[第三世代]・拘り眼鏡[第四世代
      • 【持ち物】○○ジュエル[第五世代

受け出しを制するためにはどちらの考え方も大事。役割理論だの役割論理だの言われるが、役割があるからこそ温存というのが受け出しのサイクル戦になることを連想させるのかもしれない。

特殊な交代方法

交代の仕方は大きく分けて二種類ですが、更に変わった交代の仕方もある。これらが捨て出し中心の戦い方、受け出し中心の戦い方のどちらで機能するのかを整理しておきたい。

f:id:Gold:20161002002331g:plain【技】追い討ち第二世代《相手の受け出しを許さない》

相手が受け出しを選ぶとき、交代前のポケモンに対して2倍のダメージを与えられる。これによって、相手の受け出しを手段として成立させないようにすることができる。ただし、交代後のポケモンに対してダメージは与えられない。

第二世代以降、エスパーポケモンやゴーストポケモンを確実に処理をする技として活躍した。第四世代のDPとポケモンバトルレボリューションでは、拘り鉢巻を持たせて相手が受け出しするターンに追い討ちを決めるとき、(追い討ちが物理攻撃技となって組ませる意味が出てきた)拘り鉢巻の永続アンコールの対象にならなかったため、砂起こし特性で砂嵐を起こして特殊耐久力が1.5倍になったバンギラスに追い討ちを持たせて特殊攻撃力が高く、物理耐久力の低めな特殊ポケモンを狩る役として大いに活躍した*7。ただし、当時は鋼属性に悪も半減されるため、拘り鉢巻&追い打ちに対してわざと居座って倒れて鋼ポケモンの起点にされることに注意。

f:id:Gold:20161002002859g:plain【技】バトンタッチ第二世代《変化技で自分交代@状態変化引き継ぎ》

交代で効果が消えてしまう状態変化を味方に引き継げる技。第五世代以降の積み技自体の強化に伴って影が薄くなっている。

  • 先攻ならダメージを受けるのは交代後のポケモン
  • 後攻ならダメージを受けるのは交代前のポケモン(※ただし、瀕死にはならない)

f:id:Gold:20161002003404g:plain【技】吹き飛ばし・吠える第二世代《変化技で相手交代》

第一世代から登場しているが、通信対戦で効果が付いたのは続編の第二世代から。技によって相手を控えの中からランダムで場に引きずり出すことができる。

もともとは上述のバトンタッチの対策として使われていたが、捨て出しを狙うときに相手がなかなか倒してくれず、剣の舞や身代わりでコンボを組みにかかるのを防ぐこともできる。どちらの場合にせよ、コンボ封じであり、もう少し詳しく言うなら起点回避の手段として使われる。ちなみに第六世代では命中判定を無視するようになり、回避率アップの要塞コンボにも強くなった。

なお、これらの効果が実装された第二世代では、技の優先度は最低ランクに設定されるだけでなく、先攻で繰り出した場合はこれらの技は必ず失敗するようになっていたが、第三世代以降は吹き飛ばしをお互いに選択するとき、素早さが相手よりも高く、これらの技を先攻で繰り出してしまったとしても技が成功する。しかし、この仕様変更を行なったために猫の手で技の優先度の低さを無視して吹き飛ばしを繰り出すことができ、先攻で永遠と繰り出して時間切れを狙う悪戯心猫の手吹き飛ばしレパルダスを生み出してしまったが、第六世代では猫の手で繰り出さない技扱いになっている。

f:id:Gold:20161002002126g:plain【技】とんぼ返り・ボルトチェンジ第四世代《攻撃技で自分交代》

 第四世代でとんぼ返りが初登場、第五世代でボルトチェンジが追加。相手が受動的な捨て出しを狙うときは起点となるポケモンを変更できる、受け出しを狙ってきたときは、受け出ししてきたポケモンにこちらが受け出しするフェーズをカットして有利にサイクルを回すことができる。相手が居座っても退いても有効となるように拘り鉢巻、拘り眼鏡を持たせたり、拘りスカーフで常に先制できるような形にして持たせることも多い。

  • 先攻ならダメージを受けるのは交代後のポケモン
  • 後攻ならダメージを受けるのは交代前のポケモン(※ただし、瀕死にはならない)

f:id:Gold:20161002083915g:plain【技】巴投げ・ドラゴンテール第五世代《攻撃技で相手交代》

 第五世代で登場。攻撃技に100%の吠える、吹き飛ばしの追加効果が付く。攻撃技であるため吹き飛ばしなどの上位モデルのように見えるが、追加効果を防ぐ身代わりによる要塞コンボには効果が薄い。

ちなみにとんぼ返りと同じく相手が居座ってきても退いてきても有効となるように同じような持ち物を拘り鉢巻を持たせてもいいのかもしれない。

f:id:Gold:20161002001901g:plain【持ち物】脱出ボタン第五世代《相手の攻撃技で自分交代》

第五世代で初登場。受身的なとんぼ返りであり、相手のとんぼ返りでこの持ち物が発動するとき、相手のとんぼ返りの効果は発動しない。

特性による天候の書き換えが頻発した第五世代において、受け出しで場に出た瞬間に発動する雨降らしなどで天候を書き換え、そのターンに攻撃技を受けたらそのまま下がって、その天候の恩恵を受けるポケモンをノーダメージで召喚し、攻撃技以外ならアンコールで嵌るというニョロトノなどが流行った。

f:id:Gold:20161002134445g:plain【持ち物】レッドカード第五世代《相手の攻撃技で相手交代》

第五世代で初登場。受身的なドラゴンテールであり、相手のドラゴンテールでこの持ち物が発動するとき、相手のドラゴンテールの効果は発生しない。

例えば、不利対面に応じてもコンボを組まれず、1発は攻撃技を耐えられる場合、わざと致命傷を負ってレッドカードで控えている本来倒したい相手に変更して、カウンターやミラーコートを打つといった芸ができるが、場に出る控えのポケモンはランダムなので相手の控えが1匹の時しか狙いづらい。

ちなみにどちらかといえば、カウンターやミラーコートより頑丈特性のポケモンに持たせて積み無双の起点になるのを回避し、ステルスロックやねばねばネットなどの場の効果を撒く形で使われる傾向にあるようだ。

*1:余所では「死に出し」と呼ばれることも多い

*2:余所では「後出し」と呼ばれることも多い

*3:最初のターンに溜めが入るため、パワフルハーブと組み合わせたい

*4:第一世代のみ、威力130、威力170

*5:第二世代までは自分のターン終了時、第三世代以降は全体のターン終了時

*6:第三世代のみ、相手の能力変化が発生しない場合は失敗する…クリアボディ特性のレジアイス、メタグロスなどに使えば失敗する。

*7:ちなみにPt・HGSSでは砂嵐中に追い討ちを選択すると異常気象が発生し、対戦の続行に支障をきたすため、追い討ちは使用禁止にされることが多い