きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

カビゴンのレベルで構築を大別する

今回のテーマは自分の中で以前から漠然と意識はしていたものの、自分の中に完全に定着しきってはいなかった50カビゴン軸55カビゴン軸に対する意識の話、そして、高レベルを対策したことで低レベルも対策した気になってしまうお話について解説する。

50カビゴンの構築と55カビゴンの構築

  • カビゴンを採用しないことが大きなハンデになる
  • ミラーマッチ意識で複数の手持ちが先攻をとることに意味のあるバランス編成のレベル配分が自爆の圧倒的な相打ち性能の高さによって意味をなさなくなっている
  • 50カビゴン55カビゴンが同時に入らない。

第二世代の『ニンテンドウカップ2000』に絞った時、この環境を説明する上で度々登場する話題であるが、これにより以下のことが言える。

この世(第二世代)には大きく分けて、

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存在しえないということである。

また、これまでは何故だか55カビゴンと55サンダーがまるで同時に選出されるかのように仮想敵を考え、その両方に背中を向けない広範囲に対応できることを目的とした技構成などが存在する。しかし、そういった技構成は中途半端であることが多く、パーティの穴をピタリと埋めてくれるようなピースになり得ることは自分の経験上極めて少ない。

構築時の仮想構築・仮想選出を絶対王者であるカビゴンのレベルで分け、『どちらのレベルのカビゴンパーティであれば有利に進められるか』を常に意識し、それに特化した形で単体の技構成を見直すことが「ニンテンドウカップ2000」で非常に重要な目線ではないかと思っている。

 

対55カビゴン軸と対50カビゴン軸を考える

オムスター

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例えば、オムスター。これは自分のようなオリジナル版の金銀時代からの対戦経験者なら定番は何かと問われると砂嵐などを連想することが多い。この当時、岩ポケモンの特殊防御力は砂嵐の効果で1.5倍になったりなどしないが、砂嵐が無効の地面、岩、鋼に水技の通りが良いなどと言う技同士の相性と55カビゴンに負担をかけられるからといった漠然とした理由によってそれが定番かのように思われている。

しかし、これがパーティの決定的な穴を塞ぐピースとしてピタリとハマって勝てたという経験はあまりない。せいぜい、相手の水受けがたまたま緩かっただとか、カビゴンの技構成がたまたま地震や雷じゃなかったとかそんなところである。

実際のところ、このオムスターはかなり相手を選ぶポケモンであり、どんなバトルにでも選出できるポケモンではない。オムスターが砂嵐を使ったところで55カビゴンの隣の自己再生のスターミーや寝言を持ったスイクンを突破することがほぼ不可能であり、また、その水技と相性の良い砂嵐を相手に利用されてしまうからだ。砂嵐と水技が相性が良いからと言ってオムスターのステータスやパラメータを十分に活かしていることには到底ならないことを痛感させられてしまう。

昔の定番のオムスターが具体的な状況を想定せずに技構成を考えているかということなのだが、問題の根本はそこではない。何故、最高レベルの55カビゴンのみを仮想敵にするのかということなのだ。50カビゴン軸も存在すると思えば、オムスターというポケモンの見方は大分違うものになる

オムスターはC115でライコウと同等の特殊攻撃力を持ち、C110のサンダース、シャワーズより若干高い。最近の記事で述べている通り、C110は55でタイプ強化アイテムを装備することで55サンダーの雷と同等の火力になる

この火力は50カビゴンを3発(雨乞い込みなら2発)、55ミルタンクを2発で倒せる*1特殊火力になり、50カビゴン軸に対して大変意味のある火力になる。C115のオムスターは神秘の雫装備でそれをやや上回る火力になるのだが、これにも意味があり、50のパルシェンをハイドロポンプで超高確率で2発で倒せるのだ。勿論、シャワーズでも似たようなことが可能だが、甘えるや身代わりを持たずに低レベルカビゴンお得意の自爆で相打ちになりづらいというのがこのポケモンの特筆すべき点になる。地震による反撃は受けるが、それはどちらのカビゴンでも同じこと。しかし、どちらの軸に対して選出する方が活躍できるかと言えば、明らかに50カビゴン軸だと思わないだろうか。

55身代わりラプラス

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3年程前まで金銀の対戦では注目されていなかった55身代わりラプラスなどの発想もこういった目線からもともと生まれたアイデアだ。(※一応、身代わり角ドリルなら55カビゴン軸も戦えなくもない)

55を対策すれば、50も当然対策できるという錯覚

黄金の実から奇跡の実パルシェンへ

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ちなみにパルシェンに黄金の実があれば、オムスターの神秘の雫ハイドロポンプでは2発で倒せなくなってしまうが、黄金の実は55ガラガラという仮想敵ぐらいにしか意味をなさない55カビゴン軸の隣のムウマやフォレトスを起点にする50ガラガラだけ仮想敵にするなら黄金の実はいらないのだ。

広範囲を意識して最高レベルのガラガラを対策しようと思ったら黄金の実は凄まじく美しい技構成である。ただし、実際のところ、55ガラガラ側も黄金の実が障害となることは分かっていて、高速移動バトンタッチでパルシェンにリフレクターすら繰り出す余裕もない状況で剣の舞を積んで1発で倒そうと動いてくるため、これが機能しないことがある。

対して奇跡の実や薄荷の実を持たせれば、めざ草を搭載していないと考えられる*2ナッシーに対しても眠り粉を恐れずに突っ張ることもできるようになる。奇跡の実なら低レベルカビゴンののしかかりによる麻痺も回復することができる。50カビゴン軸に対しても立ち回り易すさが向上するのだ。実況のがちゃさんもそんなことを言っていた。

大事なことは最高レベルを対策できるからと言って低レベル型も対策できるだろうと1対12対2レベルで完結させてはいけないということだ。単体考察に没頭するとどうしてもこういったことを見逃してしまい易い。

ポケモンのレベル配分は持ち物の配分と違って選出パターンを大きく左右する要素であり、相手の具体的な選出(3対3)を具体的にイメージした上で技構成を考案・提案していきたいところである。

その他、個人的に評価を見直したポケモン

サンダー

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例えば、このポケモンもかつては55カビゴンを突破するために攻撃技は雷、そして気がつけば、撒きびしを絡めて吹き飛ばしだけでは飽き足らず、威張るまで採用されるようになっていった経緯があるのだが、今の55サンダーは果たして本当に55カビゴンを意識してそのような技構成なのだろうか?

自分が近年サンダーの評価を著しく下げていたのがまさに仮想敵を55カビゴンにしていたからなのだが、最近は一変している。50カビゴン軸に対して非常に刺さるポケモンであると分かったからだ。繰り返すが、50カビゴンを3発、55ミルタンクを2発というダメージラインを叩き出し、55にするレベリングにちゃんとした意味があるのだ。

そして、威張ると身代わり。これらは最早55カビゴンを突破するものではないのだ。そもそも今の55サンダーが余裕で起点にできるエアームドやヘラクロスのようなポケモンは人気が低迷しており、ムウマすら電磁砲を打ち込んでくる始末だ。サンダーが身代わり→威張ると起点にできる相手はいない。これも自分が評価を下げていた一因だった。

しかし、威張ると身代わりのコンボを完成させることが目的ではなく、威張るが55サンダーミラーを有利にするために、身代わりが50カビゴンを処理する際に雷外しからの自爆被弾を様子見する技として捉えると評価は一変するのだ。

ファイヤー

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これはレベル55のファイヤーも同じで、『ヒストリアカップ for Nintendo Cup 2000』のチャンピオンのほこさんの高速移動身代わりファイヤーと55サンダーの構築で交戦した時も同じことを感じた。

レベル55ファイヤーは《大文字/目覚めるパワー草/日本晴れ/眠るor寝言@奇跡の実》のような技構成でナッシーの眠り粉から展開し、(寝言を覚えていない)55カビゴン&50スターミーのような2つの大きな壁を越えられる技構成として高く評価していたのだが、《大文字/日本晴れ/高速移動/身代わり@光の粉》という技構成は味方のリフレクター(光の壁)&大爆発などで身代わりを残し、ペースを握れば凄まじく強く、50のカビゴンも日本晴れ大文字で2発、通常時3発、ミルタンクを2発、55サンダーには高速移動→身代わり→日本晴れで雷が当たらずに嵌められるといったものであった。

ここまでして55サンダーに抵抗した55ファイヤーは初めて見たが、50カビゴン軸に抵抗できると考えたら(バンギラスさえ気にしなければ)全然ありで大変感銘を受けた。寧ろ、55カビゴンに目覚めるパワー草まで持たせて無理矢理抵抗していたことが馬鹿らしくなるほどにだ。しかも、身代わりというのがバクフーンやエンテイには真似できず、大文字外しからの自爆警戒にも使えるというのが偉すぎる。

 

 

…走り書きのため、あまりまとまってませんが、月曜日の放送で触れた話題を記事にしました。『ヒストリアカップ for Nintendo Cup 2000』と『ヒストリアカップ《うら》』の二大会の実践からのアウトプットも絡めてみました。

*1:ただし、勝てるとはいってない。ミルク飲み連打で外れと弾切れを狙われてしまう。ただし、急所に当てればば一撃であることは頭の片隅に入れておく。

*2:「ポケモンスタジアム金銀」ではHPの限界値からその有無を推測できる