きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

第二世代の影分身や砂かけについて整理する

 久々の更新のネタは影分身(またか)の話です。

前作で強力だった影分身は金銀でどれだけ弱くなったのか?

 第一世代で最強の積み技であった影分身は、第二世代において調整された技として大変有名である。開発元のゲームフリークと『ポケモンスタジアム』の開発と公式大会を主催していた任天堂により以下のように調整されている。

  • 相手の麻痺や火傷の補正が再計算されない
  • 命中率・回避率ランクの補正率の変化幅を小さくする
  • スピードスターの必中化(騙し討ち・当て身投げ)
  • 雨乞い→雷(必中)
  • 見破る
  • 甘い香り
  • 小さくなるに踏み付け2倍ダメージ
  • 命中判定に依存しない道連れ
  • 命中判定に依存しない滅びの歌
  • 吹き飛ばしと吠える(※必中ではない)

 …などの要素を盛り込んだことで影分身を手段の一つレベルまでの強さに抑え込んでいる。

 ちなみに一撃必殺技は第三世代以降と違って影分身対策にはならない。通常の命中判定と同じ処理がされ、影分身を積めば当たりづらくなり、甘い香りを受けている相手には当たりやすくなる。また、持ち物の光の粉の影響も受けてしまう。

影分身が最も困る滅びの歌や道連れを対策する

 これらを覚えるポケモンの代表格と言えば、ゴーストポケモンです。そのゴーストポケモンを追い討ちヘルガー(ブラッキー)で処理したり、ムウマ限定でガラガラの起点にして別方向から相手の手持ちを崩したりといったサイクル戦の中で対応していく方法と、自爆による相打ちによってラスト1匹対面でルールを利用して滅びの歌道連れ(更に吠える)を制限して勝ちに行くパターンがあります。

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 前者はカビゴン、後者はミルタンクなどでよく取られるアプローチです。

影分身は命中の低い大技対策となりうるのか?

 第二世代の対戦といえば、ハサミギロチン、地割れ、角ドリル、爆裂パンチ、電磁砲…と命中の低い技が強いと認知されつつありますが、これらを実践において影分身で対策できることは極めて稀です。

 なぜならこれらの技はメインウエポンではなく、サブウエポンとしての採用が多く、相手の交代が予想される場合に繰り出すことが多いため、影分身を一度も積んでいない交代際に使われてはその対策となりません。ただし、持ち物の光の粉は受け出しするターンにも即効果を発揮します。これらの気休め程度の対策には成り得るでしょう。

砂かけ・煙幕・泥かけならどうだろうか?

 以前の初代の記事でも挙げた通り、サイクル戦で効果を発揮するのは影分身ではなく、砂かけや煙幕になります。

 更に第二世代では100%の確率で命中率を1ランクダウンさせる攻撃技の泥かけも技マシンに収録されるようになりました。カビゴンの起点にされるスイクンなどで事前に泥かけを仕掛ければ、スイクンを引っ込めても地割れや爆裂パンチに対して効果があります。こちらの方がサブウエポンとしての採用され易いハサミギロチン、地割れ、角ドリル、爆裂パンチ、電磁砲に対して影分身よりも有効に働く場面は多いでしょう。ただし、泥かけは砂かけと違って飛行ポケモンには無効になるのでサンダーの雷対策にはなりません

 ちなみに一部のポケモンはメインウエポンのように命中率の低い大技を使用するポケモンもいます。例えば、バンギラスの爆裂パンチ。ノーマル耐性を持ちながらカビゴンに出したはいいものの、岩雪崩のみでは追加効果の怯みに頼らないと押し切れないので効果抜群の爆裂パンチと追加効果の混乱を合わせて対策してくることがあります。

 この場合はカビゴンで事前に影分身を積むことが有利に働きます。最近のバンギラスは回復技も鈍いも吠えるも持っていないので影分身で攻撃を回避しながら鈍いを積めば返り討ちにすることもできるでしょう。

一撃必殺技対策は光の粉の方が優秀

 持ち物の光の粉もサイクル戦で効果を発揮できます。第三世代以降と違ってかけ算ではなく、引き算なので命中率の低い技ほど効果があります。以下の表のとおり、命中率30%の一撃必殺技から砂かけや影分身1回よりも効果を発揮します。

技の命中率 砂かけ1回のみ 光の粉(-20/256)のみ
100%(255/256) 74.6% 91.8%
95%(242/256) 71.25% 86.7%
90%(229/256) 67.5% 81.6%
85%(216/256) 63.75% 76.6%
80%(204/256) 60% 71.9%
75%(191/256) 56.25% 66.8%
70%(178/256) 52.5% 61.7%
60%(153/256) 45% 52%
55%(140/256) 41.25% 46.9%
50%(127/256) 37.5% 41.8%
30%(76/256) 22.5% 21.9%

 

影分身をバトンタッチする

 また、影分身はバトンタッチで味方に引き継ぐこともできます。砂かけや泥かけと違って技枠を2つ消費する代わりにバトン先と対峙している相手が交代してきても効果が継続します。

 よって、そのような展開を通したときにゲームを決める十分な活躍が見込めるポケモンに引き継がせるでもしなければ、泥かけやフラッシュでも使った方がマシだと言えます。

 影分身を交えた戦法で第二世代で有名どころと言えば、ミルタンクに代表される丸くなる→転がるコンボになりますが、前述のとおり、ゴーストポケモンの道連れや滅びの歌の対策に頭を抱えることにもなります。

f:id:Gold:20180107012308g:plain (※砂かけも覚えます)

 黒い眼差し→滅びの歌の覚えられるゴーストポケモンに対して黒い眼差しバトンタッチで対抗できるブラッキーあたりに影分身→バトンタッチをさせると面白そうなところでしょうか。

 自身の黒い眼差し→バトンタッチ対策の吹き飛ばし・吠えるに影分身が役に立つことも成り得ることでしょう。バトンタッチ先に光の粉を持たせて吹き飛ばし・吠えるの二度回避を狙うのも地味ですが面白そう。

《雷限定》日差しが強い状態にする

 雷は場の天候の日差しが強いとき、技の命中率自体が電磁砲と同じ50%になります。通常の天候の時に影分身を積む場合よりも2%ほど低く、両者が入れ替えても5ターンの間は効果が持続する(※金銀クリスタルの対戦では持続ターン上書きも可能)。

 なお、日差しが強いときに影分身を1回積めば命中率は37.5%、更に光の粉が加わると30%まで落とすことができます。日本晴れ、影分身、光の粉、それら全部を1匹でこなしてそれなりに戦える技構成を考えると難しいですが、前述のバトンタッチで分担するとサンダーの雷対策として面白いことができるかもしれません。

ex)f:id:Gold:20180123233451g:plain影分身&バトンタッチ→f:id:Gold:20180107014017g:plain日本晴れ&光の粉