きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

構築採用順と傾向の自己分析

ポケモンは対戦競技なので対戦相手と競っているようで、パーティ構築の時間はなんだかんだ己との勝負だよなと毎度感じます。どこで完成として妥協するか、環境をきちんとリードできている(読み取れている)か、固定観念に縛られていないか、発想は柔軟か…などなど。

自分は『ポケモンバトルノスタルジア』の[ポケモンバトル発展]という記事を偉そう(?)に書いてましたが、アレは困ったときの処方箋程度のものであって、短時間で自分の満足の行く構築を組めるほどそんなに私は優秀ではないです。毎度大会の前日ギリギリまで育成済(若しくは育成中)のポケモンとにらめっこしているタイプです。

(特に金銀は)長いことやっていると早く完成しても良さそうなのですが、想定する仮想敵も多く、なかなかスピーディーに完成したりはしない。寧ろ若くて駆け出しの頃の方が思い切りは良かったのかなと思うぐらいです。

これが絶対と呼べる構築論なんてないと思うけど、せめて自分がGOサインの出せる(妥協できる・満足できる)ラインを自覚しておきたいなと常々思うわけです。それを持っておくことが自分の満足できる構築を素早く仕上げられるようなヒントになるのではないかと信じて【自分のポケモンバトル感】というカテゴリで偶に記事を書いてます。今回はそんな記事のひとつです。

縦重視と横重視の対策

ポケモンの対策を採用する際のアプローチには大きく分けての2つあると思っている。恐らく良く意識されているのはである。相性補完が云々とかですね。

例えば、『ニンテンドウカップ2000』で55カビゴンを主軸にした時、

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交戦を避けたいポケモン(≠カビゴン対策)として、

  • f:id:Gold:20171105153439p:plainカイリキー
  • f:id:Gold:20170812183427p:plain黒い眼差し滅びの歌ムウマ(f:id:Gold:20161125003106g:plainゲンガー)
  • f:id:Gold:20170812183310p:plain影分身丸くなる転がるミルタンク
  • f:id:Gold:20161221235944p:plain自爆カビゴン
  • f:id:Gold:20170215223358p:plain眠り粉大爆発ナッシー
  • f:id:Gold:20161221232328p:plain大爆発パルシェン
  • f:id:Gold:20161015095426g:plain大爆発ゴローニャ
  • f:id:Gold:20161002002331g:plainバンギラス

…などが挙がりますが、これらを幅広く対応しようと思ったらスターミーとかサンダーなんかが候補に上がります。相性補完が取れてるとかなんだとか理由を付けて並べてるのは大体そうです。これは「横」重視の対策

しかし、これらのポケモンそれぞれの構築採用率って本当に一律均等でしょうか?

違いますよね。一番起こり得るであろうケースを潰さないと大会の予選総当たりなんかでは効率よく勝ちきれないですよね。また、カビゴンが対面して一番どうにもならない相手がカイリキーだったりするものだから真っ先にその穴から潰しに行こうとしてしまいがちですが、その重さの違いなんて正直どうだっていいのです。いずれも交代を選択したくなる程度に不利になることに変わりありません。

大事なことは交代したくなる状況に当たる実際の頻度です。カイリキーと自爆カビゴンを比べた時、どちらの方が大会で見かけたでしょうか?

少なくともこれまでの『ヒストリアカップ』では圧倒的に自爆カビゴンの方がバトルで当たることが多く、そちらを優先的に対策すべきだと考えます。KP(被りポイント)の高いところから対策する。これが「縦」重視の対策

縦と横の優先順位

どちらも重視できれば良いのですが、個人的にレベル配分のあるニンテンドウカップでパーティを組むときはを優先し、で補完するように心がけています。

  • パーティの1~3匹目⇒縦重視
  • パーティの4~6匹目⇒横重視

パーティの所謂基本選出を人気重視で…というのは分かりやすいですけど、4~6匹目を横重視にする理由は1匹目に採用した主軸となるポケモンを腐らせるような選出を相手に絶対に許さないポケモンを採用するためです。

f:id:Gold:20170812183310p:plainf:id:Gold:20170215223358p:plainf:id:Gold:20171105153439p:plainf:id:Gold:20161221232328p:plain(50f:id:Gold:20161221235944p:plain)←f:id:Gold:20180111234212g:plain

例えば、主軸の55カビゴンを選出したら完全に腐ってしまうというポケモンの3匹選出を想定して、それらすべてを仮に選出してきたらかなり有利に立ち回ることのできる55サンダーを加えます。

このとき、低レベルのサンダーでは複数の相手を圧倒するだけのパワーが足りませんし、55のカビゴンを選出することが圧倒的なディスアドバンテージにしかならなそうなのであれば、刺せるポケモンにレベルを振っておきたい。選出の組合せが狭まらないレベル配分のないフラットルールにおいてこんなことは気にかける必要はないわけだけれど、レベル配分があるわけだからそれは無駄にしたくない

また、5匹目以降を決めるときも、4匹目と同じように刺せるエースポケモンを更に追加したりすることもありますが、次に加えるポケモンのレベルに関わらず、考えられうる穴を埋めるため、人気の高さよりもカバーできる広さ方向で補完をしています。

「背中を向ける頻度」を意識する

これまでこの記事で例に挙げているのは前回大会の『第6回ヒストリアカップ』で優勝したパーティです。これは『ポケモンバトルノスタルジア』で自分が執筆した[ポケモンバトル発展]に収録したパーティ構築のヒントに基づいて組んだ構築になってます(一応、自分が書いた通りにパーティ組んでるのかと疑われそうなので、それを意識しながら本書の制作をしていました)

gold.hatenadiary.jp

なお、このの優先順位ですが、昔は自分も完成度とかいう幻想を追い求めて横優先になりがちでした。しかし、完成度なんてものは自分自身が勝手に決める限界です。55カビゴンエースを考えるとき、カビゴン対策の筆頭候補であるカイリキーやムウマの対策となるようなポケモンを優先・重視し、その他のカビゴン対策にも広く通用するポケモンを2番目に考えていました。

例えば、電磁波の撒けるレベル50のサンダーやスターミー、眠り粉の使えるフシギバナ、ガラガラ、甘える追い討ちブラッキーなんかを2番目に考えたりなどです。極力カビゴンに背中を向けないようポケモンの中から選べればベストぐらいの漠然とした考えで組んでいたと思います。

しかし、この構築は『カビゴン対策…の対策』というよりは『カビゴンが背中を向けたくなるポケモンが来た時…の引き先』(つまり、自爆による相手からの間接的役割破壊)まで視野を広げた上で、人気の高さ方向を優先して2匹目を考えました。

自爆カビゴンを筆頭に、(相手の)ムウマ、カイリキーとパルシェン…とKPの高いところを見ていき、この辺も少しぐらいなら相手はできそうだということでムウマを2番目に採用しようと思い立ったわけです。他所に自分のパーティについて転載された時にも書きましたが、これはムウマが穴埋めではなく、2番目に入ってることから少し意識してるところが違います。

ちなみに自爆カビゴンはバンギラスなどから組み始めない限り、どのエースも脅威となりがちなポケモンです。共倒れだからと言って対自爆を有耶無耶にするのではなく、今は安易な自爆の展開を許さず、その一歩上を行かないと僕は金銀では勝ち切れないと思っています。自爆を(間接的)役割破壊とみなしてきた固定観念からの脱却がなければ、こういう組み方に至ってないわけです。

自分の構築採用順を意識する

パーティ構築を仕上げた時に忘れないようにしておきたいことが、そのポケモンを構築中に採用した順番です。他人の構築記事にケチをつけているわけではありませんが、文脈でそれとなく想像できることはあっても、意外と採用した順番を丁寧に解説してくれる構築記事ってあまり見ませんよね。それだけ沢山試行錯誤したということなのかもしれませんが。

大体同じようなポケモンを揃えた構築に仕上がったとしても果たして同じ順番でピースを当て嵌めているのかどうかって意外と気になりませんか?自分は結構気になる方です。

パーティ6匹のうち、1匹目を考えるとき、2匹目を考えるとき、3匹目を考えるとき4匹目を考えるとき、5匹目を考えるとき、6匹目を考えるとき、いつも同じような思考でピースを考えるのか。それぞれの過程において、人によって何を重視するのか。

例えば、パーティの何匹目でコンセプトって決まるものなのかという質問をぶつけた時、人によっては1匹目とかダブルエースが決まってからとか色々あるんじゃないかと思います。ちなみに自分は点と点を線にする2匹目じゃないかなと思ってますけど、これはまた何かの機会に解説します。