『つうしんケーブルクラブ』のポケモン対戦考察同人誌の拘りを語る記事の第2回は『ポケモン単体考察』『ノーマルルールキャラ雑感』『殿堂入りパーティ』『任天堂公式大会の系譜』です。
【ノスタルジアDX上巻】
ポケモン単体考察
『ポケモンバトル:ノスタルジア』の単体考察は『ポケモンバトルヒストリア』とはデザインが結構違います。また、『ニンテンドウカップ97』と『ニンテンドウカップ2000』の両方を用意したので、それの見分け方についても徹底しました。
見開きで完結させることでWEB頁と差別化
『ポケモンバトルヒストリア』はもともと『ジムリーダーの城』のシミュレーター対戦をしながらでも、すぐに必要なデータを参照できるデザインを目指していました。
一方で『ポケモンバトル:ノスタルジア』の単体考察は『ポケフリーク』の書式と同じにしています。ただし、『ポケフリーク』とは違い、1匹が見開きの中で完結するようにしています。これは三才ブックスから出版されていた『真バトル奥義』シリーズと同じです。制作初期の段階で頁配分の目標設定がしやすかったことが一番の理由ですが、検索性が高いことと、マウス(タップ)スクロールなしでストレスフリーで閲覧できることで差別化が図れると考えていました。
ただし、金銀のカビゴンは枠内で満足に書ききれなかったため、今回のDXでは特別に4頁に拡大しています。
初代の単体考察は1頁・金銀の対戦考察は2頁
両方の世代の単体考察が掲載されるので、どちらのルールの単体考察の頁を見ているのか、すぐに識別できるように、初代は1頁、金銀は2頁(見開き1頁)に限定しました。


『ポケモンバトルヒストリア』ではポケモンのドットアイコンで識別できていたわけですが、初代の対戦は定番技構成に幅がまるでなかった対戦だったことに救われました。ただし、金銀のポケモンも全部が全部2頁埋められるわけではないので、役割の似ているポケモンなどの比較考察や後の世代のシングルバトルで活躍したポケモンが何故あまり活躍できないかについて補足を入れて頁の無駄を作らずに埋めています。
WEBは色が自由に使える・同人誌はフォントが自由に使える
これは単体考察に限らずですが、WEBサイトは際限なく色が使える点が魅力であると思いました。特に『ポケモンバトルヒストリア』の単体考察は色分けを徹底しています。
▼『ポケモンバトルヒストリア』の単体考察。



対して制作コストの都合上、白黒印刷によるレイアウトを考えざるをえない同人誌で拘ったところはフォントでした。WEBサイトではブラウザやOSによって表示できるフォントが変わってしまうため、画像を別に作らない限り、そのフォントですべての人に披露することはかないませんが、同人誌はその制約に悩まされることがありません。OSやペイントソフトのプリセットフォントやフリーフォント中心ではありますが、本文や表、見出しでフォントを変更して強調表示を強化しています。ちなみにピカブイはややかわいいフォントを少し多めにしています。
【ピカブイまるかじりBOOK】
ノーマルルールキャラ雑感
公式レギュレーションらしきものが公表されておらず、ミュウツーを6匹繰り出せてしまうような「なんでもあり」の対戦環境なので『ポケモンバトル:ノスタルジア』のような規模の単体考察は用意しませんでした。
取り合えず、覚醒値を貯める手間のかからない《ノーマルルール》を基準にして、シングルバトルとダブルバトルの両方に通用するようなキャラ雑感の制作に留めることにしました。その代わりピカブイのすべての最終進化系について触れています。
ピカブイは「対戦」が柱に在るゲームではない
ピカブイの疑似オンライン対戦をしていると分かることですが、対戦を遊んでいる日本人は殆どいません。対戦でマッチングするのは欧米人と中国人ばかりです。今もピカブイを楽しんでいる日本人の多くは何をしているかと言うと、色違いのポケモンを収集している方が多いです。
そもそものこのゲームのコンセプトに立ち返ると公式は『ポケットモンスター』シリーズの本編と言っていたものの、実際は『ポケモンGO』の延長線上にあるゲームであって、「捕獲」と「収集」が主役のゲームです。
そう考えると対戦考察の色が強過ぎる攻略本にすること自体がそもそもナンセンスではないかと考えたため、対戦の大型考察系のコンテンツは『ポケモンバトル:ノスタルジア』に比べると控えめにしています。
並び順は合計種族値順
このキャラ雑感のβ版を以前このブログで作成した時は素早さの高い順に作っていましたが、スクロールして閲覧できるわけでもないですし、『メガシンカが構築の柱』になることも分かっていたので、合計種族値の高いものから順に紹介しています。ミュウツーやミュウ、メルメタルも自由に使える本作だからこそ、それを先頭に持ってきた方が収まりが良さそうだということで、この方向で並べました。ちなみにメガシンカ前も一緒に載せてあり、最初の1ページ目はメガギャラドスよりミュウツーの方が合計種族値が高いことが視覚的にも分かるようになっています。
【ノスタルジアDX上巻】
殿堂入りパーティ
他の同人誌に比べると頁が相当少ないです。これは既刊で割ける頁の都合で泣く泣く1頁になっていました。実はDXでなって頁を増やすことはできたのですが、改めて再執筆してもらうわけにもいかなかったため、追加した人のパーティ構築記事もこのデザインとなっています。
単体解説は控えめにし、「着想」と「選出例」に特化
実際、自分の構築記事もブログの方が詳しいのですが、ポイントをかなり絞っています。単体解説は「ポケモン単体考察」である程度補えるため、何故このポケモン同士を組ませようと思ったのか、具体的な選出パターンは何か…について詳細に書いてもらえるようにお願いをしています。
『ヒストリアカップ』の成績優秀者を讃えるサービスコンテンツ
そもそもこの同人誌がリリースできるのも『ヒストリアカップ』のみなさんのお力添えによってバーチャルコンソール版の初代対戦や金銀対戦を盛り上げて頂いたおかげです。企画当初より辛い厳選や育成を乗り越え、このオフの土台を作ることに大きく貢献して頂きました。
そこで過去の『ヒストリアカップ』で好成績を残された方を中心に執筆して頂いています。また、今回は金銀対戦のみ『ヒストリアカップ』対戦参加の方限定で投稿パーティも募集し、8名の方のパーティが新規掲載されます。
なお、今後の『ヒストリアカップ』で好成績を残してもこの同人誌に名前が刻まれることはありません。流石に『ポケモンバトル:ノスタルジア』は今回のDXで最後です。反響次第で増刷はあり得るかもしれませんが、今回のように増ページになることはないと思います。
ちなみに今回は空いた頁の穴埋めで、過去の『ヒストリアカップ』すべて(《うら》を含む全8回)のKPのデータを掲載し、その対戦環境の推移を取り上げた記事を収録しています。
【ノスタルジアDX上巻】
任天堂公式大会の系譜
『ポケモンスタジアム(無印)』の中にも登場することで有名な元祖最強女性ポケモントレーナーの藤田美蘭さん*1の出場したすべての公式大会(GB世代は1997~2001まですべて出場)の回想録が収録されています。
オリジナル版を楽しんでいた少年少女の頃に憧れた任天堂の公式大会や64マリオスタジアムの裏側の話も書かれている貴重な文献です。なお、『ポケモンバトルヒストリア』の看板コンテンツの一つでもある公式イベントの年表もコラムとして収録されています。
アニメのポケモンが始まる前の『64マリオスタジアム』のポケモン対戦コーナーが大好きだった当時のファンには嬉しいコンテンツだと思います。
第3回は下巻に移ります。『ポケモンGB厳選&育成』『ピカブイ厳選&育成』について取り上げます。
*1:旧姓