「オウムがえし」「ゆびをふる」「ねごと」は、1ターンに2つの技を出すことになります。このように2つの技が出せる技を巡って、アンコールやカウンターなど最後に使った技*1を対象とする場合、『最後に出した技(「オウムがえし」「ゆびをふる」「ねごと」で出した技)』と『最後に選んだ技(「オウムがえし」「ゆびをふる」「ねごと」そのもの)』とのどちらを対象にしているかが技によって異なります。今回はそれについて整理します。
最後に〇〇系統のパラメータ
最後に出した技
- 死に出しで保持される
- 受け出し*2で保持されず、自分と相手の両方の最後に出した技を初期化する
- 上書きのタイミングはPP消費を伴うとき
最後に出した技は、自分と相手のそれぞれに用意されていますが、受け出した場合は、自分と相手の最後に出した技の情報を初期化します。そのため、「ふきとばし」や「ほえる」が成功する場合は、「ふきとばし」や「ほえる」を「アンコール」することに失敗します。ただし、受け出しに対する「おいうち」については「アンコール」が成功します。
何故どちらか一方の交代で、両方の最後に出した技が初期化される必要が有ったのかはわかりません。そもそも、自分が交代したときに、自分の最後に出した技だけを初期化するような仕様の方が良かったはずです。やはり、この辺は納期の2週間前に対戦モードを実装したが故の見落としだったのでしょうか?
最後に選んだ技
最後に選んだ技は、自分と相手のそれぞれに用意されています。死に出しであっても、受け出しであっても、この情報は保持されます。『ポケモンスタジアム2』を除く第1世代では、相手が交代をしても「カウンター」が決まってしまう原因の一つになっています。
最後に受けたダメージ
- 第1世代は、死に出し、受け出しで保持される
- 第2世代は、死に出し、受け出しで保持されない(?)
第1世代では、正確には『相手のターンの技を繰り出すフェイズで最後に発生したダメージ』を指し、混乱の自傷ダメージや「とびげり」「とびひざげり」の反動も含まれます。ただし、「すてみタックル」や「とっしん」「じごくぐるま 」「わるあがき」の反動は含まれません*5。これは第1世代の殆どのバグを修正した『ポケモンスタジアム2』でも珍しく修正されていない仕様になります。
最終命中率
「いかり(第1世代)」「あばれる」「はなびらのまい」の命中率は、前回使った技の命中率を参照しているのではなく、前回計算された影分身や砂かけの補正を加味した最終命中率を参照しています。
「あばれる」や「はなびらのまい」は途中で状態が解除され、『たたかう』コマンドから再度「あばれる」や「はなびらのまい」を選べば、技の命中は一旦元に戻りますが、「いかり(第1世代)」は状態が解除されないので、命中ランクが下がっていたら、相手の回避ランクが上がっている場合は1/256まで命中率が下がり続けます。
最後に使った技の詳細な参照先
①最後に出した技のみ参照
- オウムがえし(第1世代)
- まもる・みきり
- こらえる
- いかり(第2世代)
- ころがる
- れんぞくぎり
「ゆびをふる」「オウムがえし」「ねごと」で繰り出す場合は、出した技が一時的に「ゆびをふる」「オウムがえし」「ねごと」に変わり、その直後に出した技に上書きされる。そのため、「ねごと」で「まもる」を出し続けた場合は、「ねごと」をワンクッション挟むことになるので成功率が下がらなくなります。
これと同じ理屈で、「ねごと」で「ころがる」を出し続けても、連続ボーナスにならなくなる。ただし、目覚めたときは「ねごと」を挟まないので「ころがる」の連続ボーナスが繋がることになります。
オウムがえし(第1世代)
第1世代においては、相手が最後に使った技を参照する唯一の変化技であり、最後に使った技を参照する技の中でも効果コードが最も若い。
第2世代とは違って、「ゆびをふる」や「オウムがえし」で出した技を返すこともできる。ただし、空を飛ぶの溜めターンのようにPPの消費を伴わない行動をとった場合は、上書き前の「ゆびをふる」を返す。このとき、1ターンの自分の行動中に3回技が表示されるようなことはない。
ゆびをふるで2ターン技が出る(溜めが入る)ときは、ゆびをふるをオウムがえしする。 pic.twitter.com/ewE7BZKf7d
— ゴールド@ヒストリア杯主催 (@Gold_PBS) 2022年3月7日
いかり(第2世代)・ころがる・れんぞくぎり
第2世代から登場した技だが、第1世代のときに作った『最後に出した技』のルールだと、相手のポケモンが交代すると、自分の最後に出した技も初期化されてしまうため、相手の交代が絡むと「ころがる」や「れんぞくぎり」の連続ボーナスが解除されることになる。
しかし、実際は、相手の交代によって「いかり(第2世代)」「ころがる」「れんぞくぎり」の連続ボーナスが解除されないようになっている。これは最後に出した技を巡る仕様そのものを変えたわけではなく*6、もともとある仕様に条件を設けて、最後に出した技が、「いかり(第2世代)」「ころがる」「れんぞくぎり」だった場合は、初期化を行わないようにしている。
まもる・みきり・こらえる
「まもる」「みきり」「こらえる」は、相手の受け出しが伴うときは、必ず後攻で繰り出すことになり、後攻で出した場合は「まもる」や「こらえる」がどの道失敗するので、「ころがる」や「れんぞくぎり」のように相手の交代による初期化対象から除外する必要性がありません。
ただし、第3世代では、先攻や後攻という概念だけでは片付けられない数のポケモンが場に登場するダブルバトルが実装されるため、そもそも大元の仕様そのものを直している可能性が高そうです。
②最後に選んだ技のみ参照
- がまん
- カウンター/ミラーコート
最後に選んだ技のタイプや威力を参照するため、威力0の寝言で出した攻撃技は反射対象にならない。
実際は、これらの反射技に留まらず、「あばれる」や「げきりん」などの2回目などのコマンド入力をしない場合の連続ターン攻撃はこれを参照しているらしい。
第1世代のがまん(カウンター)
「ゆびをふる」で出した攻撃技に対しては、最後に選んだ技の「ゆびをふる」が威力0の変化技であるため、失敗します。しかし、「オウムがえし」で出した攻撃技には成功します。第1世代の「オウムがえし」には、「オウムがえし」で最後に出した技を最後に選んだ技に書き換える特殊効果があるようです。
第2世代のがまん・カウンター・ミラーコート
「ゆびをふる」のほかに「オウムがえし」「ねごと」で出した攻撃技も対象とならなくなります。また、「めざめるパワー」はタイプがノーマルなので、とくこうととくぼうでダメージを計算するようなタイプ*7であっても「ミラーコート」ではなく「カウンター」でしか返せない。
③最後に出した技と最後に選んだ技の一致が必要
- オウムがえし(第2世代)
- ものまね(第2世代)
- かなしばり(第2世代)
- アンコール
- テクスチャー2
- うらみ
最後に出した技と最後に選んだ技の2つを参照して、それが同じ技であるときに成功します。そのため、別の技を出す「ゆびをふる」「オウムがえし」「ねごと」や、最後に選んだ技が戦闘中に変化する可能性のある「へんしん」「ものまね」「スケッチ」の場合は失敗します。
ただし、「オウムがえし」や「ねごと」で別の技を出せず、最後に出した技も、最後に選んだ技も、ともに「オウムがえし」になったり、ともに「ねごと」になる場合であっても失敗します。
オウムがえし(第2世代)
自分が覚えている技は「オウムがえし」の対象外となり、失敗します。
ものまね(第2世代)
自分が覚えている技は「ものまね」の対象外となり、失敗します。
テクスチャー2
???タイプの「のろい」は対象外となり、失敗します。