『ポケモンスタジアム金銀』の攻略本にでも書いてありそうなコンテンツのまとめ方だが、第三世代以降の作品と異なる仕様や新作とは同じような扱い方ができるかできないかを説明するにはこの上なく便利なまとめ方かなと思い立ち筆をとった。
ここで挙げる単体コンボとは?
技と技の組み合わせによるものに限定する。眠る→薄荷の実といった技と持ち物についてはまた別の記事で持ち物の特集を組む予定である。また、それぞれの狙いを通すための引き立て役は当然必要だが、単体の動きを向上するものだけにしぼり、味方にも繋がるバトンタッチや天候関連の場の効果はこれに含まないものとする。
第二世代には特性*1と強力な持ち物が存在せず、1ターンのコマンド選択の積み重ねによってゲームを展開していくのが基本となる。そのため、ゲーム展開の組立は新作に比べれば遅く、その遅さ故に受け出しからの対策が間に合うことがある。
また、第二世代は竜の舞や蝶の舞、殻を破るのような強力な積み展開、威張る身代わりも多少弱く嵌め展開するにも全抜きに持っていくのは難しく、味方をわざと瀕死にさせて、目の前の敵を起点にする罠カードのような起点構築と呼ばれるものがほぼ存在しない。あるのは対面構築、受け構築、展開構築の3つである。
眠る→寝言
寝言で眠るが選ばれても第三世代以降と違って失敗しません。寝言の単独採用はあまりなく、眠るとセットの採用がほとんどです。受け性能の向上ばかりが注目されそうですが、ミラーをはじめとする対面性能を向上させることもできたりします。
かつては大半のポケモンに眠る→寝言を覚えさせる風潮もありましたが、技スペースの半分を圧迫し、結果として自らも何かしらに受けられ易くなってしまうのが欠点。そのため、ピントレンズの急所や技の追加効果を駆使して膠着状態を崩せるようなポケモンでの採用が望ましいという傾向にある。
ちなみにこの技の組み合わせの対策として悪夢が登場している。
眠る→寝言の採用傾向にあるポケモン
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カビゴン(捨て身タックル・鈍い・寝言・眠る@食べ残し)
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カビゴン(のしかかり・爆裂パンチ・寝言・眠る@光の粉)
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バンギラス(岩雪崩・爆裂パンチ・寝言・眠る@ピントレンズ)
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サンダー(雷・めざ氷・寝言・眠る@磁石)
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ライコウ(雷・めざ氷・寝言・眠る@磁石)
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スイクン(波乗り・吹雪・寝言・眠る@解けない氷)
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ギャラドス(ハイドロポンプ・めざ飛・寝言・眠る@鋭い嘴)
黒い眼差し→滅びの歌
影踏み特性がないので、黒い眼差しで相手の交代を制限して滅ぼします。影踏みと違ってターン消費が必要なので、黒い眼差しを放つターンにこのポケモンと共倒れになっても構わないポケモンを投げる猶予があります。これによってムウマがカビゴンを倒す役割を持って動いていたのが役割理論のはじまりでした。
ちなみに守るや眠る、身代わり、悪魔のキッスなどがあれば、一方的に滅ぼすこともできる場合があります。一方的に滅ぼされるのを回避するにはこちらも黒い眼差しをかけること。次点に吠えるや吹き飛ばし。
ただし、クリスタル発売以降は滅びの歌を放ってきたターンに吹き飛ばしを選択して登場した先のポケモンが黒い眼差し→バトンタッチブラッキーだと対策にならない場合がありますが、金銀VCでは蜘蛛の巣→バトンタッチのアリアドス(とドーブル)しか使えないので大して気にしなくても良いかもしれません。
黒い眼差し→滅びの歌の採用傾向にあるポケモン
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ムウマ(電磁砲・黒い眼差し・滅びの歌・道連れ@黄金の実)
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ムウマ(黒い眼差し・滅びの歌・守る・眠る@薄荷の実)
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ゲンガー(炎のパンチ・滅びの歌・黒い眼差し・道連れ@木炭)
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ラプラス(冷凍ビーム・渦潮・滅びの歌・身代わり@食べ残し)
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ルージュラ(黒い眼差し・滅びの歌・悪魔のキッス・身代わり@食べ残し)
威張る←身代わり*2(&食べ残し)
イカサマが存在しないことと、第二世代のみの能力変化が発生しないとき、混乱の効果が発生しない仕様により、後の世代よりは大人しい。
威張る←身代わりの採用傾向にあるポケモン
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サンダー(雷・めざ氷・威張る・身代わり@食べ残し)
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フーディン(サイコキネシス・爆裂パンチ・威張る・身代わり@食べ残し)
怪しい光←身代わり(&食べ残し)
威張るで能力変化が発生しないとき、混乱状態にできない仕様があるため、無理に威張るを使わずにこちらも使われる。
怪しい光→身代わりの採用傾向にあるポケモン
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スターミー(波乗り・電磁波・怪しい光・身代わり@自己再生)
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ラプラス(冷凍ビーム・雷・怪しい光・身代わり@食べ残し)
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クロバット(恩返し・嫌な音・怪しい光・身代わり@食べ残し)
メロメロ←身代わり(&食べ残し)
性別が物理攻撃力の高さで決定する仕様のため、メロメロの戦略的な採用もできる。混乱とは違って、相手が居座る限り、永続なのが強力。
メロメロ←身代わりの採用傾向にあるポケモン
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フーディン(サイコキネシス・電磁砲・メロメロ・身代わり@食べ残し)
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ラプラス(冷凍ビーム・雷・メロメロ・身代わり@食べ残し)
宿木の種←身代わり(&食べ残し)
第三世代以降とは違って、宿木の種のダメージが発生するタイミングは全体のターン終了時ではなく、第一世代と同じ相手のターン終了時となるため、先攻で宿木の種が使えないとそのターンに体力を吸収することはできません。
ちなみに守るも組み合わせることができますが、第二世代では身代わり状態の時の守るは必ず失敗する仕様となっているため、身代わりが壊されて守る、身代わりが壊されて守るしかできない。
宿木の種←身代わりの採用傾向にあるポケモン
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ナッシー(サイコキネシス・痺れ粉・宿木の種・身代わり@食べ残し)
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ドーブル(怒りの前歯・キノコの胞子・宿木の種・身代わり@食べ残し)
鈍い→吠える(吹き飛ばし)
吠えると吹き飛ばしは先攻で繰り出すと技が失敗します。技の優先度が同じで先攻の場合だと失敗します。状態変化対策として吹き飛ばしの使えるポケモンを受け出ししたものの、次のターンに相手に吠えるor吹き飛ばしを合わせられて相手が後攻だと自分だけが吹き飛ばされます。
鈍いも吠えるも金銀の技マシンなので覚えられるポケモンは多いですが、場に居座り続けて戦うこととなり易いため、弱点の少ないポケモンで使われる。
また、金銀VCでは不可能だが、クリスタル以降はバトンタッチと吠えるを両立できるドーブル以外のポケモンとしてシャワーズなども活躍する。
鈍い→吠えるの採用傾向にあるポケモン
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ガルーラ(恩返し・鈍い・吠える・眠る@薄荷の実)
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リングマ(恩返し・鈍い・吠える・眠る@薄荷の実)
影分身→丸くなる→転がる
転がるは逆鱗より弱い技のように思われるかもしれないが、そもそも威力90の特殊攻撃技だった金銀の逆鱗はほぼ採用されることがない*3。ドラゴン属性の技の通りは良くても環境最上位のカビゴンすら突破できずに終了である*4。
ちなみに物理攻撃技の暴れるも当時は威力90で恩返しか八つ当たりを連打するのがどう考えてもマシなほどであり、神秘の護りと組ませる*5価値すらない。そうなると丸くなるも含めてダメージが最大32倍になる転がるの方が魅力的に感じられる。
ちなみに鈍い→転がるではなく何故丸くなる→転がるなのか。攻撃力の上がる鈍い→転がるとは違って、素早さを落とさないことと、急所に当たった時に丸くなるの転がるダメージの倍の効果は鈍いのように無視されず*6に2倍されるため、自慢のPPで急所待ちにして相手の回復を追いつかせないようにする転がるとは相性が良いのである。
もともとは攻撃手段に乏しいツボツボがカビゴンを無理やり倒すために採用されていたが、丸くなる転がるで場に居座るのを助ける影分身を先制で使えて、眠るではない回復手段の使えて、弱点も少ないミルタンクこそが最強の転がる使いとされている。
ちなみに攻撃技が転がるだけになりがちなので滅びの歌や道連れ、岩半減で超火力を持ったガラガラ、永久に突破不可能な食べ残し搭載ハガネールには弱め。滅びの歌や道連れの採用率の高いゴーストは追い討ちヘルガーなどで予め処理しておきたいところだが、転がるミルタンクとゴーストポケモンが対面してる状況で、自分の交代が制限される転がるは選べず、ヘルガー対策のポケモンに交代読み交代が安定択となり、追い討ちがゴーストポケモンに届かないので注意。ゴーストポケモンに強めな自爆や大爆発でラス1対面まで持っていくゲーム展開を取った方が賢い。
丸くなる→転がるの採用傾向にあるポケモン
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ミルタンク(影分身・丸くなる・転がる・ミルク飲み@光の粉)
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ツボツボ(影分身・丸くなる・転がる・眠る@食べ残し)
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ハピナス(小さくなる・丸くなる・転がる・卵産み@光の粉)
身代わり→起死回生
チイラの実やカムラの実、イバンの実がないので第三世代より強くはないです。身代わりの技マシンが金銀にはないため、このコンボが使えるポケモンは非常に少ない。
ちなみに堪える→起死回生のヘラクロスは公式大会の決勝戦で大変有名ですが、あの試合は堪えるが機能したわけではなく、持ち物の気合の鉢巻→起死回生による勝利であり、道連れするために2枠以上割いてるようなポケモンなので、低速ポケモンの並びに刺したいなどという限定的な状況でもなければ、なかなか使われる傾向にありません。
余談だが、金銀の起死回生とじだばたは急所に当たらない代わりにダメージのランダム化が発生しない。
身代わり→起死回生の採用傾向にあるポケモン
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ガルーラ(ピヨピヨパンチ・メロメロ・身代わり・起死回生@光の粉)
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サワムラー(めざ霊・ヨガのポーズ・身代わり・起死回生@光の粉)
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ドーブル(キノコの胞子・腹太鼓・身代わり・じたばた@奇跡の実)
心の眼→地割れ
ニョロボン(とドーブル)に許されたコンボ。心の眼を受けたあと、交代されるとただの一撃必殺技になるので、やるとすれば、自爆などを駆使してラスト1匹に追い詰めるようなゲームメイクが必要。
ちなみに爆裂パンチや電磁砲と組ませては2ターン費やして命中率必中にしたところで、2回に1回の確率で命中するので、PPとか気にしなければ、ほぼ技スペースの無駄となるので攻略本に騙されて組ませるのは卒業しましょう。
心の眼→地割れの採用傾向にあるポケモン
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ニョロボン(ハイドロポンプ・恩返し・心の眼・地割れ@神秘の雫)
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ドーブル(ミラーコート・キノコの胞子・ロックオン・ハサミギロチン@奇跡の実)
鈍い→神速
金銀の先制攻撃技は弱い。金銀VCではウインディがフーディンとの対面でアンコールを回避して対面で殴り勝つ手段としてしか機能しない。
鈍い→神速の採用傾向にあるポケモン
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ウインディ(大文字・神速・めざ格・鈍い・奇跡の実)
悪魔のキッス→悪夢
初代の夢喰いと同じで、そもそも公式ルールで2匹以上眠り状態にできないので、それほど機能する場面はありません。どの状態異常でも条件を満たせる祟り目よりも条件がかなり厳しい。せいぜい最後のラス1対面くらいでしょうか。
悪夢自体は眠る→寝言に強く、通常だと眠るに対して目が醒めるまでに2ターンしかダメージを入れられないところを、寝言で回復した眠るに対しては3ターン悪夢のダメージを入れることができ、結果として悪夢で目が醒めるまでに3回のダメージを与えることができます。これにより、寝言が流行っていた時期はスターミーやポリゴン2のような相手を眠らせる技を覚えないポケモンに悪夢が採用されることもありました。
ちなみに宿木の種や毒毒と同じく、悪夢を使用したターンからダメージを与えるには相手より先攻で繰り出す必要があるため、ナッシーなどの遅いポケモンにはあまり採用されない傾向にあります。
悪魔のキッス→悪夢の採用傾向にあるポケモン
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ルージュラ(冷凍ビーム・悪魔のキッス・悪夢・身代わり@食べ残し)
思い出したら随時追記予定。
*1:ポケモンカードの《特殊能力》(現ポケパワー?)の逆輸入的な要素
*2:相手の場のポケモンの攻撃技を1発受けても身代わりが残せるという状況から展開するのがベストであるため、矢印は本来左向き
*3:寝言で繰り出されない仕様を活かしてネタ的に採用されることはかつてあった
*4:カイリューの逆鱗はフーディンのサイコキネシスに劣る火力で、そのフーディンすらカビゴンをサイコキネシスで突破するのが困難なのだから当然である
*5:第二世代・第三世代は逆鱗使用後の自分を混乱状態にする効果から防ぐことができる。逆鱗の威力が120に強化した第四世代からこの効果はなくなる。
*6:相手がこちらに合わせて鈍いを積まれると同じランクになってしまい、攻撃力と防御力のランクが同じときは能力変化の補正が急所のダメージ計算に影響しないという第二世代の急所仕様に悩まされることになる