きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

これまでの初代対戦の教訓まとめ

これから始める方への初代の対戦において差のつく立ち回りなどのまとめ。 起源主張じみた出典については烏滸がましいことかなと思いましたが、「64マリオスタジアム」で活躍された方への憧れや今まで参加してくれた方への敬意を込めて敢えて載せました。…というか自分こそ自信のあるという方がいらっしゃるなら是非次回大会にご参加ください。笑。気がついたら追記予定。

①凍らせたら影分身を積め!

第1回ポケモンリーグ任天堂公式トーナメント関東代表の偉人からの有難い経験談は初代対戦の真理だった。

クレアさんの97年公式大会当時の×影分身(≒小さくなる)がセットについては20年振りに覚醒した我々がやればやるほど身に沁みる対戦の基本的な考え方となった。これによって決まりきっていそうで、なんだか漠然としていた初代ポケモンの新型テンプレート技構成が完成することとなった。

f:id:Gold:20160522144137g:plainラッキーの技構成:

 吹雪、10万ボルト、小さくなる、卵産み

(出典:64マリオスタジアム人間バリケードチーム

 

f:id:Gold:20160522022940g:plain55スターミーの技構成:

 吹雪、10万ボルト、小さくなる、自己再生

(出典:第57回えりきゃんオフビーン

 

f:id:Gold:20160522140755g:plainルージュラの技構成:

 吹雪、サイコキネシス、悪魔のキッス、影分身

(出典:第57回えりきゃんオフおかしょー

 

f:id:Gold:20160522023648g:plainケンタロスの技構成:

 のしかかり、吹雪影分身、破壊光線

(出典:第1回ヒストリアカップゴールドおかしょービーンルイピカ

 

f:id:Gold:20160522135703g:plain55ラプラスの技構成:

 吹雪、10万ボルト、影分身、眠る

(出典:第1回ヒストリアカップルイピカ

 

f:id:Gold:20160802005530g:plain50サイドンの技構成:

 地震、岩雪崩、吹雪影分身

(出典:第1回ヒストリアカップゴッドアルス

②眠らせたら積むより殴れ!

目が覚めても反撃できないのが初代。その代わり、0ターンで即起きすることもある。眠りの持続ターンは最大で6ターンと『ポケモンスタジアム』に比べて強力だが、相手を眠らせて直後の影分身はあまり好ましいとは言えない。

…と言うのも、催眠技の命中率は鈍足のパラセクトの固有技のキノコの胞子以外は99.6%ではなく、外れてしまえば、相手の影分身から一気に形成逆転される恐れもある。凍りとは違ってターン経過で解けてしまうので目覚めるまでにまずは殴れ!そして、相手がいつ目覚めても相手に影分身を1度でも積ませる余裕を与えずに次の攻撃で殴り殺せるという実質瀕死状態まで追い込んだとき、初めて影分身を積むのが望ましい

また、このゲームで最速で相手を眠らせられる技を覚えるゲンガーの催眠術が思った以上に脅威となりきれていないのは、ゲンガーより素早さの高いポケモンの人気が高く、これらのポケモンがゲンガーより先に影分身を1回積めてしまうと催眠術の命中率が半々を下回るためである。ルージュラの悪魔のキッス、ナッシーらの草ポケモンは眠り粉で相手に先に影分身を積まれたとしても半々の確率で催眠技を当てられるが故に強いとも言える。


③影分身合戦はPPを節約せよ!

  • ポケスタ攻略本にありがちな影分身と毒毒と組ませることは戦略的でもなんでもなく、体力と状態異常を回復できる*1眠ると組ませることで真価を発揮する。これは64マリオスタジアムでも有名な山本姉妹の富士見コラッタチーム*2台頭時代までに結論の出ていること。1回の影分身で3度に1度は相手の技をかわせる、眠るを使い続けるのに要するターンは3ターン。もともと相性が良い。猛毒の毒は眠るで洗い流せるし、外れを考慮すると毒毒では眠るのPPに敵わない。
  • 影分身で長期戦になるときはPPが勝負の決め手となる。先に悪足掻きになっても、初代では、反動が与えるダメージの1/2、命中率は必中ではないため、負けるとは限らないが、先に弾切れに陥れば高確率で負ける。
  • 眠るで寝ているターンはPPの消費が発生しない。相手に眠るを使われてPPを節約されないように敢えて殴らないことも必要。
  • 逆に影分身の長期戦において相手を眠らせてしまうとき、かえって相手のPPを節約させるきっかけを与えてしまうこともある。また、PP消耗戦の末、自分が相手を眠らせる技を選ばずを得ないとき、故意ではないにも関わらず、相手の手持ちを2匹以上眠りにして反則負けになる。よって相手を眠らせる技は長期戦向きの技ではない。しかし、眠り粉よりPPの多い痺れ粉と併用させて相手に眠り粉を打ち込んでも反則とならない状況を逆に作り出すことも可能。
  • どんなに影分身を積んだとしても吹雪が当たって3割で凍ればすべて台無しとなり、大きく不利になる。よって凍らない氷ポケモン以外は吹雪を覚えるポケモンの前で悠長に影分身を積むことは避けたい。そして凍らない氷ポケモンの影分身が強力であることを意味する。
  • 身代わりを繰り出していれば、吹雪の追加効果は発生しない。影分身との組み合わせも強力。ただし、初代では相手を麻痺、眠り、宿木の種状態にする変化技は防ぐことができない

f:id:Gold:20160522134149g:plain55サンダースの技構成:

10万ボルト、電磁波、影分身眠る

(出典:第1回ヒストリアカップルイピカ

 

f:id:Gold:20161015100346g:plain55フーディンの技構成:

サイコキネシス、影分身身代わり、自己再生

(出典:第1回ヒストリアカップERROR

 

f:id:Gold:20161125003127g:plain50ナッシーの技構成:

サイコキネシス、眠り粉痺れ粉、眠る

(出典:第2回ヒストリアカップyasu

④受け出しせざるを得ない状況を作らない

第二世代以降と比べて技が急所(※当時は2倍ダメージ)にあたる確率、吹雪やサイコキネシスを筆頭とする追加効果の確率などがかなり高いため、受け出しによる挽回は他と比べて難しいものがある。有利か五分五分を常に意識し、相手の選択肢を絞った上で相手の受け出し択に合わせた所謂釣り出し交換が安定択となるような組み合わせを採用したい。

例)

f:id:Gold:20160522134149g:plain55サンダースの場合:

有利①:

f:id:Gold:20160522022940g:plain55スターミー/f:id:Gold:20160522135703g:plain55ラプラス/f:id:Gold:20161015093440g:plain55フリーザー etc.

【相手の取りうる選択肢】

  • A:相手が吹雪で凍り狙いでたたかう
  • B:草や地面ポケモンに入れ替える

f:id:Gold:20160522140755g:plain味方のルージュラに入れ替えれば、どちらでも対応可

 

有利②:

f:id:Gold:20161221222436p:plain50マルマイン

【相手の取りうる選択肢】

  • A:相手が電磁波・影分身・大爆発でたたかう
  • B:草や地面ポケモンに入れ替える

f:id:Gold:20161125003127g:plainナッシーに入れ替えれば、どちらでもそこそこ戦える

⑤麻痺は誰が恩恵を受けるのか考える

場の効果の存在しない初代においては、唯一、ポケモンを場から引っ込めても残る要素となる状態異常。凍りと眠りがあからさまに強力だが、行動順が入れ替わる麻痺も強力。特にケンタロスのように追加効果で発生する麻痺は引けるととても美味しい。電磁波や痺れ粉についてはその麻痺で誰が得するのかを慎重に考えたい。下手をすれば、麻痺が相手の凍りや眠りを防ぐために利用されることもある。ちなみに現状では多くの場合、凍る心配のないラプラスが恩恵を受け、また、ルージュラの機動力を落とすためにこの技が使われていると言っても過言ではない。

⑥ポケモンのターンチェック

第三世代以降と処理順序が大きく異なる。詳細は技の仕組みを参照。

  1. 先攻の行動(技を繰り出す、眠りや混乱、破壊光線の反動消費)
  2. 先攻の毒、火傷、宿木の種判定
  3. 後攻の行動(技を繰り出す、眠りや混乱、破壊光線の反動消費)
  4. 後攻の毒、火傷、宿木の種判定

これらの処理の途中で場のポケモンが瀕死になると以降の処理はカットされてターンが強制終了する

 

gold.hatenadiary.jp

⑦拘束技の嵌めは高速移動→巻き付く以外信用できない?

影分身が強力な環境において、命中率が十分ではない。これが当時注目されたのは影分身などに修正のあった『ポケモンスタジアム2』からのことである。炎の渦や殻で挟むの命中率は悪魔のキッス、眠り粉と同じ75%だが、それによるアドバンテージを取るまでにかかる試行回数が違いすぎるため、割に合っていない。しかし、巻き付くについては命中率が85%。

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また、拘束側の仕切り直し交代も可能だが、そもそも命中率が悪く、パルシェンの殻で挟むもラプラスを倒しきるまでに一度や二度は平気で外れてしまう。

⑧吹雪よりマシに見えて対処の難しい一撃必殺技

吹雪よりマシだと思われて、最近まで軽視されていた技。吹雪のような起点作成効果はないが、角ドリルと地割れの2種類の技マシンが存在するため、油断はならない。ただし、初代の一撃必殺技は自分より素早さの現在値が高いポケモンには効果がなく*3、実質これを有効に使えるのは素早さの高いダグトリオやケンタロスなどに限られる。これらより素早さの高いポケモンを受け出すのは難しく、角ドリルを無効にできる最終進化系はゲンガーのみ、また、地割れも、吹雪が強力かつ格闘と虫ポケモンが弱過ぎて敢えて採用するメリットの薄い飛行属性が対戦で見かけないことから技が通り易い。

なお、第三世代以降では命中補正を無視するため、回避率アップの対策として使えるが、初代含むGB世代では命中・回避ランクの補正の影響を受けてしまう。しかし、もともとの命中率が低いため、影分身を1回積まれても20%、2回積まれても15%の確率で命中する。

吹雪と違って効果の発生しない時のリスクが大き過ぎるのが厳しいところ。

f:id:Gold:20161002085130g:plain52ダグトリオの技構成:

地震、地割れ、影分身、身代わり

(出典:第2回ヒストリアカップとしひこ

 

*1:ただし、初代では火傷と麻痺による能力値の変化は回復できない

*2:64マリオスタジアムで度々登場した有名な山本姉妹。お姉さんは第3回ポケモンリーグ任天堂公式トーナメント番組代表であり、モバイルカップ2001でも活躍。妹さんは第4回ポケモンリーグ任天堂公式トーナメント番組代表予選でも出演

*3:後攻だと失敗ではないので同速勝負に負けても命中する可能性がある