電磁波、痺れ粉、蛇睨みの麻痺は、毒や火傷、眠りと違って眠る&寝言によって対策することができない状態異常になります。何故なら眠るは体力満タンの時、眠るの技自体が失敗するようになっており、状態異常の上書きは行われないからである。
これは初代から現行世代まで変わらないポケモン共通の仕様であるため、今更説明するまでもないことだと思っていましたが、『ヒストリアカップ』でこれを知らなかった現行世代で活躍中の方も居たので改めてここで触れておきます。
電磁波と鈍い
それでは、これが何の役に立つかというと鈍いという金銀頻出(?)の積み技です。麻痺の効果は相手の行動成功率と素早さの実数値を1/4倍*1にする効果があります。
素早さが1/4倍というのは能力変化に置き換えると-6ランクであり、一瞬にして素早さランクを-6ランクにしてしまう恐ろしい効果です。怖い顔を覚えるポケモンが電磁波を覚えられたら間違いなくそちらが使われていたことでしょう。
これに鈍いを加えることで鈍いを積んでも行動順の逆転を気にせず*2、上から鈍いを積み続けることができ、鈍いの積み合いになっても相手が途中で痺れて動けずで能力ランクでリードすることができます。これを鈍い電磁波で圧殺するなど言っていたような記憶があります。
電磁波と鈍いの両方を採用して活躍できるポケモンはポリゴン2*3かカイリューぐらいですが、電磁波(痺れ粉)で麻痺を撒くポケモンと鈍いを積むカビゴンといった形で役割分担して使われることもあります。
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なお、ここで大事なことは麻痺した相手のHPを絶対減らさず、体力満タンを維持させることであり、殴ってしまうと眠る(&寝言)で麻痺の効果を潰されてしまいます。ここが電磁砲などの追加効果麻痺との決定的な違いになります。
特に麻痺&鈍いの動きを役割分担して組む場合は味方のパルシェンやフォレトス、ドーブルなどが繰り出した撒きびしはかえって邪魔になることがあります。この麻痺&鈍いの役割分担の並びで最も流行った鈍いカビゴン&電磁波ポリゴン2の並び(通称:カビポリシステム)を流行らせた過去の偉人のオリジナル構築でも、撒きびしをしていなかったりします。
しかし、この眠るの麻痺回復不可を阻止できる技があります。それが捨て身タックルのような反動技です。よって、このような立ち回りは捨て身タックルの採用傾向が高いカビゴンに対しては通用しませんでした。これが寝言&捨て身タックルを搭載したカビゴンの強さでもありました。
ちなみに捨て身タックルには通用しませんが、追加効果依存ののしかかりにはこれが通用していました。実はレベル50の自爆カビゴンを圧倒する戦術としてこれが非常に強かった。
55のカビゴンは鈍いを先攻で積めても次のターンに50カビゴンに先制されるため、自爆による相打ちの恐怖と常に隣り合わせとなるのですが、鈍いを積んでもなお、先攻を取れ、麻痺の痺れも期待して鈍いのランクをリードできることで自爆対策として十分にその機能を果たせていました。
高レベルカビゴンと低レベルポリゴン2の並びとは、弱点が少なく、自爆や大爆発をメインとしたフルアタック、セミフルアタックの技構成を圧倒的かつ華麗な立ち回りで叩き潰し、それまでの眠る&寝言による受けゲーの高速化を進めた戦法として評価されていました。
ちなみにこの並びにガラガラを加えて「カビガラポリ」という形でかなり昔に革命を起こした技構成ですが、実は考案者本人は選出パターンのひとつとしてしか「カビガラポリ」という表現を使ってなくて、「カビポリ」という並びに注目しています。
カビガラという既存の組合せにポリゴン2が加わったことで他の第三者から名づけられたものなのです。そもそも、カビガラに刺さるポケモンとして登場したパルシェンに対してカビガラポリで選出する人はいません。そこら辺をミスリードしてる人が多い気がしています。
寧ろ厳しかったのはカビゴン&パルシェンに刺さってたゲンガーの方です。それとカビガラポリのガラガラはゴースト対策として起用することは稀で、フォレトスとツボツボに繰り出すか、ライコウの吠えるに対する2枚受けとして使われる程度です。
現在、同人誌作成に当たり、過去見てきた金銀のすべての技構成を見直しています。これが衰退した理由が黒い眼差しバトンタッチブラッキーだのカビゴン、パルシェン、ムウマだのはその模倣パーティに対してであり、自分はこれにやや懐疑的です。
低レベルポリゴン2自体は冷凍ビームでケンタロスの身代わりを壊せないので、第4回では真っ先に考えながらも没にしたのですが、再検討してみたいコンセプトのひとつとして注目しています。《うら》で使えばよかった…