きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。


《撒きびし&吹き飛ばし・吠える》の心得

クリスタルバージョンの配信が加わることで劇的に変化することとして撒きびしを習得できるポケモンが増えることが挙げられます。金銀まではフォレトスの固有技だったのですが、原作ではものの1年、VCについては半年も経たずにパルシェン、ハリーセンという新たな使い手が登場することになりました。

f:id:Gold:20180107134629g:plainf:id:Gold:20180107134604g:plainf:id:Gold:20180107134654g:plain

撒きびしを使う意図

現行世代では撒きびし自体は第二世代より強化されている*1にも関わらず影は薄く、第二世代の撒きびしのダメージに岩属性の攻撃技のタイプ補正を加えたステルスロックや場に出た瞬間に毒や猛毒状態にする毒びしの方が対戦で見かける傾向にありますが、撒きびし系統の技を採用する意図は今も昔も大きく変わらず次のターン以降場に登場する相手の耐久調整を崩す』ことにあります。入れ替えるポケモンの存在しない1対1の対戦では、撒きびしを踏ん付ける機会すらもらえないため、目の前の相手としか対戦しないときは機能しなくなります。

耐久調整を崩すと聞くとサイクル戦において真価を発揮するようなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、破壊の遺伝子ケンタロスのような高速アタッカーや共倒れを狙う自爆・大爆発を使用するポケモンの一撃射程圏内に入れるために1発耐え調整*2を崩すといった形で採用されることもあります。

撒きびしを吹き飛ばし・吠えるで踏ませることは強いのか?

場に出た瞬間にダメージの入る《撒きびし》と相手を強制的に場に繰り出す《吹き飛ばし・吠える》を組ませると相性がよさそうだが、攻撃技を絡めずにただひたすら吹き飛ばしや吠えるで撒きびしを踏ませるような運用には特に意味がない。第二世代の吹き飛ばしと吠えるは優先度-1の技であり、ダブルバトルのような行動順序が複雑になるバトルシステムが実装されていなかった第二世代では先攻で繰り出した場合は技が失敗するようになっており、変化技の猫の手で吹き飛ばしを永遠と優先度+1で繰り出す第五世代の悪戯心レパルダス*3のようなポケモンを作り出すことはできないため、ただ、単純に撒きびしと吹き飛ばし・吠えるを組み合わせることは強くありません。

吹き飛ばし・吠えるを決めるのならば、場に対峙したポケモンから先攻で常にダメージを受けることと、撒きびし自体の主たる採用理由がそもそも何かの攻撃技に対する耐久調整を崩すことが目的で、そこになんらかの攻撃技を絡めていくことで成立するということを失念してはいけません。

 撒きびし&吹き飛ばし・吠えるで嵌めやすい状況とは?

ただし、以下のような条件を揃えた時に相手の受け出しを読んで、吹き飛ばしや吠えるを使うことで、吹き飛ばしや吠えるを使う直前の対面に戻すことで相手に撒きびしを踏ませただけでターンが終わるという戦法が有効に働きます。

  • ①吹き飛ばし・吠える持ちの不利なポケモンが相手の手持ちに1匹のみ
  • ②吹き飛ばし・吠える持ちの有利なポケモンが居座っても余裕がある
  • ③吹き飛ばし・吠える持ちの不利なポケモンよりも素早さが高い

このような状況によって撒きびし&吹き飛ばし・吠えるで嵌める技術を俗に第二世代の対戦文化で長らく昆布*4と呼ばれ、受け出しによるサイクル戦の全盛期に神格化されていたことがありました。

ただし、基本的にサイクル戦を大前提として有効になる戦法なので、相手に短期戦を仕掛けられるとそれに合わせなければならず腐ることもあります。万能な戦法ではなく、あくまで手段のひとつ程度に心得ておきたいところです。

①吹き飛ばし・吠える持ちの不利なポケモンが相手の手持ちに1匹のみ

吹き飛ばしや吠えるを覚えたポケモンが相手の交代を読んで、吹き飛ばし・吠えるを選んでも苦手なポケモンが2匹いる3対3のサイクル戦のとき、元の有利対面に戻る確率は1/2となってしまい、《撒きびし&吹き飛ばし・吠える》によって相手サイドを追い詰めることは難しくなります。

そこで自爆・大爆発による共倒れで2対2のサイクル戦に持ち込むことで、吹き飛ばし・吠えるを覚えたポケモンが苦手なポケモンが1匹だけという状況に持っていければ、《撒きびし&吹き飛ばし・吠える》で相手を追い詰めやすくなる。

このような理由もあって撒きびしの撒けるポケモンの中で最も高い相打ち性能を持つパルシェンに人気が集中している。ちなみにフォレトスも大爆発を覚えられるが、ゴースト、岩や鋼ポケモンに対する打点に乏しく、相打ち性能が低いことからパルシェンの人気を上回れずにいる。なお、ハリーセンとドーブルについては第二世代では大爆発を覚えられない。

②吹き飛ばし・吠える持ちの有利なポケモンが居座っても余裕がある

吠えるや吹き飛ばしを採用せずとも、所謂《交代読み交代(釣り出し交換)》という立ち回りによって、同じように相手を追い詰めることができるため、吠えるや吹き飛ばしの技枠を節約することができる*5

ただし、目の前に対峙している有利な相手が場に居座ってきても安定択となり易いのは、《交代読み交代を読んで居座って殴る》を許さない吹き飛ばし、吠えるとなる。相手の立ち回りに依存せず、詰ませられるという点で技枠を割く価値が一応ある。

③吹き飛ばし・吠える持ちの不利なポケモンよりも素早さが高い

相手の交代を読んで、同時に交代するにしろ、吹き飛ばしや吠えるをするにしろ、交代読みで撒きびしを必要以上に踏ませることは、場に受け出してきたポケモンを受け出される対象のポケモンの技の射程圏内に持っていくことが狙いとなる。射程圏内を迎えた先で、苦手なポケモンから受ける致命傷クラスの攻撃及び回復を許さずに倒すという状況に持っていくためには苦手な相手から何も技を受けずに先手で攻撃技を繰り出せることが重要になる。

そのため、相手のサイクル攻略のキーとなる《吹き飛ばし・吠える》を覚えたポケモンは麻痺で行動順が入れ替わって後攻になると途端に突破力が落ちるようになります。かつては交代読みを決めた時でも毎ターン少しずつ体力を回復できる食べ残しを装備させることが多かったが、最近はこの役回りのポケモンに麻痺のほかに眠りや猛毒なども含めた状態異常を回復できる奇跡の実を装備させることも多い。

麻痺はかなり注意しなければならない状態異常であり、かつては食べ残しなどを持つケースが多かったが、奇跡の実を持たせて運用することが多い。

撒きびし(ほぼピンポイント)対策の高速スピン

撒きびしはスターミー、カメックス、ドククラゲなどの覚えられる高速スピンによって駆除することができます。ただし、高速スピンは追加効果であり、ゴーストポケモンに無効化されると撒きびしを駆除する追加効果は発生しません*6

パルシェンの撒きびしのターンに合わせて繰り出すことで、味方に撒きびしを一切踏ませないようにできますが、威力20の高速スピンのダメージはまるで期待できないので、相手のカビゴンなどの強力なポケモンの受け出しの負担を軽くして起点とされてしまうことに注意が必要です。また、撒きびしピンポイントでやや腐りやすい技に技スロットを割くという覚悟も必要です。

撒きびしと絡めて使われる吹き飛ばし・吠える役のポケモン

ライコウ(S115)

f:id:Gold:20180109010142g:plain10万ボルト/目覚めるパワー氷/吠える/眠る@食べ残し)

カビゴン&地面ポケモン(ガラガラ・ハガネール・ニドクイン)といった組み合わせが台頭してこなかった時代はこの役回りのポケモンの中で最強説*7まで存在したが、案の定、カビゴンの隣の地面ポケモンが増え、また、サンダーに圧倒的有利という火力も持たないため、《撒きびし&吹き飛ばし》のサンダーと交戦すると負けることが多く、現在は撒きびしに依存したこの戦法から離れ、ケンタロスやミルタンクとの対面を意識した雷も注目されている。

サンダー(S100)

f:id:Gold:20180111234212g:plain(10万ボルト/目覚めるパワー氷/吹き飛ばし*8/眠る@奇跡の実)

撒きびし&吹き飛ばし・吠える(=昆布)》の考案者が最初に実装したポケモン。ライコウと違って地面耐性もあり、カビゴンとバンギラス、カビゴンとライコウを両方選出されるなどされなければ、苦手なポケモンで完全に腐ることも少ない。素早さと火力も十分。ただし、サンダーミラーの性能は威張るや食べ残しを不採用にすれば、捨てることになる。

スイクン(S85)

f:id:Gold:20180107161829g:plain(波乗り/冷凍ビーム/吠える/眠る@薄荷の実)

上述の2匹と違って撒きびし役のポケモンとセットで困りがちなバンギラスには強め。かつては、カビゴン&スイクン&フォレトスの選出で一世を風靡したが、カビゴンと電気、カビゴンとスターミー…など何かと2枚受けされやすかったり、フォレトスが敵のカビゴンの大文字や火炎放射で一撃で焼き払われたり、敵のガラガラの起点となるようになってから衰退するようになった。

 ハガネール(S30)

f:id:Gold:20180112005932g:plain(地割れ/吠える/砂嵐/大爆発@水玉リボン)

パルシェンの困る電気ポケモンなどには強め。ただし、遅すぎるため、他のポケモンの引き立て役にはなる程度。大爆発以外の火力はそこそこなので、電気ポケモン以外の相手が退かずに居座られることも多い。エアームドにガン止まりしやすいが、エアームドの吹き飛ばしと同時に吠えるを選べば、素早さの高い相手だけ失敗するため、砂嵐を持たせれば、撒きびしと組み合わせて削りを入れることができる。

*1:第三世代以降は相手の場に3回の重ね掛けができ、撒いた回数により与えるダメージが1/8→1/6→1/4と変化する

*2:ステルスロックでよく用いられる気合の襷潰しも1発耐え潰しということになる

*3:第六世代以降は吹き飛ばし・吠えるが猫の手で繰り出されない変化技となった

*4:もともとは考案者の多段嵐王氏のコンボということで多段コンボと呼ばれ、ヒストリアカップ 《うら》のEXマッチで登壇予定のしゃわ氏のタイプミスで多段昆布と呼ばれるようになり、更に省略され昆布と呼ばれる。現行世代ではほぼ死後となっている。

*5:吠えない昆布とか言われることもある

*6:身代わりは発生するようです。『ジムリーダーの城』のPBSではこの仕様は再現されていません

*7:考案者の多段嵐王氏の最終系だった撒きびしと吠えるライコウを核としてパーティは『神パ』と呼ばれており、そのようなコンセプトの総称として俗に呼ばれることがある。その由来は『(自称)神が使うパーティだから神パ』とのこと。

*8:吠えるも覚えるが、空を飛ぶ状態のポケモンに有効であるため、吹き飛ばしの方が上位互換となる。余談だが、第一世代以外は吠えると比較すると吹き飛ばしの方がこれとは別の理由で上位互換になる