自分が初代VCを本格的に挑戦する以前に満足した《ニンテンドウカップ2000》という対戦ルール。『ポケモンスタジアム金銀』と『クリスタルバージョン』が同時発売だったこともあって、『ポケモンスタジアム金銀』の《ニンテンドウカップ2000》の裏マスターボールカップのファイナルバトルの怪獣マニアが『クリスタルバージョン』で覚えられる技を使用していたことから、当時は使用できるカートリッジが「赤・緑・青・ピカチュウ・金・銀」という制限があったにも関わらず、それらの追加要素も加味して対戦の考察が第三世代発売以降もされてきました。
しかし、来月配信されるVCでは『クリスタルバージョン』は勿論、初代VCと同様、『ポケモンスタジアム金銀』の配信の予定は恐らくなく、公式大会当時とほぼ同様*1の「金・銀」と「赤・緑・青・ピカチュウ」のみでの対戦環境がバーチャルコンソールで再現されることとなり、純粋な金銀の対戦については未だかなりの蓄積があると自負している自分も新鮮な気持ちで臨まなければなりません。
今までの蓄積が役に立つとは限りませんが、自分が満足するに至った第二世代の対戦をこれからはじめる方に対戦環境の全容と歴史を説明するときに毎度使っているモデルを紹介します。
クリスタル発売後の対戦環境の結論的相関図
自分の作る主観ランクとは概ね対戦環境を把握する一助となるような相関図を作ることを心がけています。
第二世代対戦環境の中心《木》
①カビゴン
金銀対戦環境の中心的存在。最強の対面性能と特殊受け性能を持つ。第六世代のメガガルーラを凌駕する圧倒的な強さだが、環境の頂点に君臨するポケモンの素早さが最も遅いため、それよりも素早さが高いポケモンであれば、特性という概念がないにもかかわらず、多くのポケモンに活躍のチャンスがあるというのが金銀の対戦の魅力的なところかもしれない。
カビゴン対策変遷の歴史《林》
②ムウマ(代打:ゲンガー)
公式大会黎明期はカイリキーこそがカビゴン対策になると考えられていたが、カビゴンが初代で活躍した素早さと特殊に優れるポケモンを眠ると食べ残しで完全に受けきってサイクル戦に持ち込まれるようになるとカビゴンに受け出ししたカイリキーから崩れることが多く、カビゴンに対して受け出しして相打ちにする役割を持ったポケモンの象徴としてムウマが登場する。サイクル戦、金銀発祥(?)の役割理論*2の発端となったポケモン。一周して電磁砲*3を持たせることで後述のカビゴン&パルシェンの並びにも強くなった。
③ガラガラ(代打:ハガネール)
受けの役割を仕分けしていた頃、一時期受けの役割が少なすぎて使い方がハッキリしなかったポケモンだが、ムウマとその当時のカビゴン対策として人気があった撒きびしと大爆発しかダメージソースを持たないフォレトスに対してノーダメージで半永久的に繰り出して起点にすることで、眠る寝言などで生温いサイクル戦ばかりが続いた金銀の対戦環境に風穴を空けたポケモン。剣の舞を持たせれば、カビゴンに背中を向けず*4にカビゴン対策を対策できるポケモンとして登用され、革命を起こした。
④パルシェン
サイクル戦時代のガラガラの運用の仕方が確立し、ガラガラが眠らないのならこちらも眠らない、黄金の実を持たせればレベルの差を大きく離されても2回は出せる、ガラガラに体力回復手段がないのであれば、ガラガラに冷凍ビームを当てられなくても撒きびしが有効となるなどがわかり、カビゴン&ガラガラ対策としてさらなる革命を起こす。カビゴンに対して背中も向けず、大爆発で大ダメージを与えられる。
カビゴン&その対策に強め《森》
⑤ナッシー
金銀の対戦で初代と比べて大きく弱化したはずのナッシー(と後述のフシギバナ)が何故強力なのか、寝言が大変強力な第二世代において何故催眠が強力なのかを説明するには、②~④のカテゴリのポケモンがカビゴン対策が眠る→寝言若しくは眠る→薄荷の実といった戦法をほぼ取らないことや寝言と相性最悪の自爆・大爆発が非常強力であることに起因する。宿木の種も体力の多いカビゴンに対して有効。
⑥バンギラス
今より遥か昔、ナッシーが注目され、一時カビゴンのKPを凌ぐほどナッシー人気だった時代より強力だったポケモン。相手を眠らせる攻撃技はこのカテゴリの中で覚えないが、金銀で強力な自爆ポケモンに対しても強め。レベル55限定だが、味方のレベル50カビゴンへの依存度も低く、補完性能も高いことからほかのエース候補と比べて頭1つ抜けている。ガラガラについても地獄車でも使われない限りは冷凍ビームや波乗りで殴り勝てる。カビゴンに対しては爆裂パンチで背中を向けずに戦える。ただの運ゲーのようにも思われがちだがバンギラスミラーにおいて爆裂パンチは合理的な採用ができる。最近は嫌な音で苦手な鈍い地震カビゴンなどまで含めて無理して全抜きするような構成ではなく、フルアタックで狙った敵を刺すような補完として入るイメージ。
⑦フシギバナ
一番遅咲き。バンギラスに対しても動けるナッシーのようなイメージ。ただし、若干火力不足感も否めない。サンダーの起点にされやすく長らく注目されてこなかったが、カビゴンに背中を向けずにバンギラスともそこそこ戦えるポケモンとして注目された。
第二世代の対戦のテーマ『味方との連携』の潤滑油
⑧マルマイン
捨て出し展開の象徴。電磁波、リフレクター、光の壁を味方のポケモンに残せる。受けの役割を仕分けしていた時代は人気が落ち気味だったが、パルシェン出世のおかげで活躍のチャンスが広がった。
⑨スターミー
受け出し展開の象徴。電磁波、リフレクター、光の壁を味方のポケモンに残せる。対戦環境の中心的存在であるカビゴンとの組み合わせが強力であることが多い。光の壁は現在絶滅したが、かつては嫌な音バンギラスの優秀なサポートとして活躍した。
⑩ブラッキー
金銀バトンタッチ展開の象徴。金銀のバトンタッチは第三世代以降とは異なり、呪い、滅びの歌、黒い霧だけでは対策できず、黒い眼差し→バトンタッチには吹き飛ばし、吠える出なければ対策が通用しない。また、サイクル戦を崩壊させる追い討ちもカビゴンの苦手とするナッシーやゴーストポケモンに有効となる。
カビゴン以外で構築の軸となり易い四天王
⑪サンダー
パルシェンの撒きびしへの依存度もやや高め。撒きびしと合わせての吹き飛ばし、威張る身代わりなどが使われる。このカテゴリの中では低レベルの採用もしやすいが、電磁波を採用してワンウエポンでも活躍するスターミーと比べると技スペースが足りないと思うことも多い。
⑫ミルタンク
影分身&丸くなる転がるという第二世代ならではの戦法が使える。最近では自爆を覚えたカビゴンと組ませて、ただの鈍い爆裂パンチといったものまで使われているらしい。このカテゴリの中では取り巻きのポケモンを選びすぎない。
⑬ケンタロス
マルマインとの捨て出し壁展開からの破壊の遺伝子ケンタロスが強力。運ゲーのようだが、『ポケモンスタジアム金銀』では4ターン以内に混乱が解けるため、リフレクターや光の壁を残せば、自滅ダメージを受けたときのリスクも軽減でき、戦略的に使うことができる。
⑭ライコウ
サンダーと同様、撒きびしパルシェンの依存度が少し高め。サンダーとケンタロスに先制できることが強みだろうか。ただし、かつてカビゴンとガラガラに死滅させられたポケモンでもある。
クリスタル発売前の環境を考えるヒント
何が使えて何が使えないのか。それを簡単に人気上位のポケモンだけでもおさえておきましょう。初代VCでは参加者の方々のおかげで以下のような満足のいく相関図を作ることができたのですが、金銀VCはどうなるのか。今から楽しみですね。
- ムウマの技は身代わり無効の痛み分けより守るも一行の余地あり。パルシェン弱化で電磁砲の採用頻度は落ちる(?)
- ガラガラの技構成からカビゴンとの対面で有利が取れるようになる剣の舞が没収される。ガラガラが鈍いを積むカビゴンに対して対面で勝てなくなるのでカビゴンの鈍いの採用価値は未だにある。…というか鈍い切って地割れに依存すると相手の光の粉爆裂パンチカビゴンに凄まじく弱くなる。
- パルシェンの撒きびしはないのでガラガラに圧力はかからない。大爆発で相打ちしやすい爆弾ポケモンとして採用していくのが良いところか。
- バンギラスは冷凍ビームが打てなくなる。ガラガラ、フシギバナ、ナッシーにはそれ1枠で済んだが、今後は両方に打点を持とうと思ったら波乗りと大文字を採用しなければならない
- フシギバナの葉っぱカッターではレベル55のケンタロスの身代わりを壊せない。奇跡の種と目覚めるパワー草が必要。しかし、相手の捨て身タックル2発でダウンするようになる。今後この役回りは元々のカイリキーのようなポケモンに降りる(?)。
- ブラッキーのポストはハッサムか?ドーブルか?ちなみに高速移動をレベル55のカビゴンにバトンタッチすれば、レベル55のケンタロスに先制できる。影分身丸くなる転がる、メロメロ身代わり腹太鼓、のしかかり爆裂パンチ寝言光の粉など。蜘蛛の巣→バトンタッチを使われなければ、今後バトンタッチ対策は滅びの歌でも通用するのでムウマ(ゲンガー)の需要はそれなりにあることになる。
- ケンタロスの破壊の遺伝子の混乱は残念ながら解けることがない。身代わり→一撃必殺技が無難か。
- ライコウ厳選冷静に考えて無理では?(サンダースが採用してほしそうにこっちを見ている)