きんのいれば

ポケモンGB世代の老兵によるメモ入れ場。

爆裂パンチと電磁砲はサブウエポン

 何処かで書いた気になっていましたが、このブログを見返すと特集記事は組んでいなかった爆裂パンチ電磁砲の上手な使い方に関してのお話です。『ポケモンスタジアム金銀』のCMでもお馴染みですが、金銀の対戦と言えば爆裂パンチ(と電磁砲)です。

 現行世代ではノーガード特性のカイリキーしか使わない攻撃技ですが、第2世代の対戦では頻繁に採用される攻撃技です。命中率50%の攻撃技なので、影分身が強かった前作から遊んでいたプレイヤーにとって最初は抵抗のあった攻撃技でした。それが受けいられるようになった経緯と本来の上手な使い方について今回は解説します。

心の眼やロックオンと組ませる技ではない

 タンバジムリーダーのシジマのように心の眼→爆裂パンチ、ロックオン→電磁砲なんてコンボは市販の攻略本でも紹介されていましたが、心の眼状態になれば、ずっと爆裂パンチや電磁砲が必中になるわけではなく、1回命中すると心の眼状態の効果が解除されます。よって、2ターンかけて技を当てるぐらいなら命中率50%の技を2回試行しても確率的には変わらないことになります。

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 ちなみに爆裂パンチや電磁砲のPPは基本が5、最大が8なので、心の眼を挟むことによるPPの節約はできなくなります。しかし、技スロットを1個割く必要はありません

 そもそもゲームフリークは爆裂パンチと電磁砲の技マシンだけを用意して、心の眼とロックオンの技マシンを用意しなかった時点で、これらを組み合わせて使うことを前提としたレベルデザインはしていなかったのではないか?と個人的には考えています。

(眠る&)寝言でPPを節約しながら繰り出す

 上述したPPの問題を眠る&寝言で繰り出すことによって少ないPPを節約するといった解決方法がありました。眠る&寝言では攻撃技が単調になって膠着状態となるところを、このような強力な追加効果を持った攻撃技を用いて突破できることが浸透すると、それだけの試行回数を稼げているのであれば単なる博打技ではないと認識されるようになりました。冷凍ビームの追加効果の凍りも試行回数を稼げば、立派な戦術とか言われだしたのもほぼ同時期であったりします。

 それから眠る&寝言とセットで採用され、爆裂パンチは金銀の対戦で見かけるようになりました。後述の理由で今でこそ寝言とセット採用は少ないですが、今でも辛うじて生き残っている技構成として、カビゴンの【のしかかり爆裂パンチ寝言眠る】などがあるでしょうか。

"メイン"ではなく"サブ"ウエポンと捉える

 そして、今は心の眼以上に技枠を食う「眠る」「寝言」すら使わずに爆裂パンチや電磁砲単体で採用されています。そうなると途端に側から見たときに雑に爆裂パンチや電磁砲を振り回してる頭の悪そうなゲームに見えたりもするわけですが、そもそもどうしてそう見えるか?と言うと爆裂パンチや電磁砲をあたかもメインウェポンであるかのように捉えてしまうからですね。

 第四世代以降のノーガード特性のカイリキーがメインウェポンとして採用しているので、少なからずそう見えるところもあるかもしれませんが、普通のポケモンからすれば、連打することに向いておらず、サブウェポン向きの技であるワケです。

 また、サブウェポンというのは、対面で優勢のとき、相手が受け出すであろうこちらに有利となる控えのポケモンに対して殴り、その次のターンにこちらも入れ替える…という打ち逃げの流れの中で使うことがベストとされる技であったりします。逆にそういう使い方ができていないときは望ましい使い方ではないと個人的に考えています。

 金銀VC配信初期の生放送で、これを解説したときに気合パンチのような感覚と例えた人がいましたが、大体そのイメージで間違ってはいない気がします(…と言っても相手が居座ってきても、それなりにリターンはあるのですが)。

爆裂パンチの仮想敵はカビゴンとバンギラス

 ここまで爆裂パンチが採用される理由はカビゴンやバンギラスに対する打点に乏しいことも一因しています。ただし、先程も挙げた通りで本来は受け出してくるカビゴンやバンギラスに対して戦略的に使える技であるというところがポイントであり、対面で勝てるようになるかは運次第というところになります。

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 前回の『シロガネリーグ』の直前に【岩雪崩爆裂パンチ噛み砕く波乗り】のバンギラスと【捨て身タックル鈍い寝言眠る@食べ残し】のカビゴンの一騎打ちを何度か実機同士で行い、どちらの勝率が高いのか?…ということを生放送中に実験したのですが、概ね後者が爆裂パンチでダメージを受けた直後にすぐに眠る寝言モードに入れば、寝ている間は岩雪崩の怯みの追加効果が発生せず、ほぼカビゴンサイドが優勢でした。某所のシミュレーターでは相手が眠り状態でも岩雪崩の怯みが発生してしまい、金銀とポケスタ金銀の正しい仕様を再現できていないため、勘違いされがちです。

 以前からバンギラスに爆裂パンチを覚えさせただけでカビゴン対策を用意できているという感覚にはやや懐疑的でした。眠る寝言とピントレンズだとか、♀メロメロだとか砂嵐や嫌な音があるだとかならまだ分かるのですが、爆裂パンチ有のフルアタック単体ではやや無理があると思っています。そう、単体では。

 実際バンギラス入りの構築が鈍いカビゴン入りの構築にそこそこ有利に戦える要因はバンギラスの味方の援護にあります。例えば、フシギバナやナッシーの眠り粉の受け皿の役割も担っている寝言カビゴンに眠り粉から入らずに宿木の種を植えてから、バンギラスを繰り出すなどの動きをとることで、擬似的にバンギラスでカビゴンと有利に戦えるような動きを作ったりできます。

 また、電磁波や痺れ粉の麻痺も地味に有効です。最近電磁波と爆裂パンチを両立したデンリュウと何故かよく戦うことが増えたのですが、体力を一切削らないようにして電磁波で麻痺を入れ、眠る(→寝言)を選べないようにしてから爆裂パンチを当てられるとかなり突破されやすくなるなという印象を受けました。デンリュウのようにその両方を自らでこなすことができなくても、カビゴンに出されやすいスターミーやナッシーで麻痺を入れ、バンギラスに交代して爆発パンチ→岩雪崩の流れに持っていければ、なんとかごまかせるということはあると思っています。

電磁砲は寝言を採用していないポケモンに打て

 爆裂パンチと比べると眠る→寝言で追加効果の麻痺を洗い流せてしまいます。また、ゴーストに無効化される爆裂パンチに比べると電磁砲を無効化する地面ポケモンの種族数は多いので、爆裂パンチよりも電磁砲で活躍させられるポケモンは数が限られます。代表的なところだと眠る寝言を採用しているカビゴンに強めなムウマであるとか、地面ポケモンに対面で勝てるラプラスあたりでしょうか。スターミーも地面には強いですが、寝言カビゴンに対応されやすいので、体力を削らない電磁波の方が麻痺を回復されづらいです。

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 電磁砲の麻痺は25%の行動不能がチャンスを作るだけでなく、金銀対戦で構築・選出ともに採用率の高いカビゴンの行動回数を確実に1回増やします。また、眠るすら持ってない威張る身代わりのようなポケモンの交代を牽制できます。

余談

 このブログの対戦記事では、わりと『立ち回り』に関する記事を沢山挙げています。…というのも、個人的には他人様がどんなパーティを組もうが正直無関心だったりします。自分も他人様に構築相談したり、されたこともありますが、本人の拘りみたいなところもあると思いますし、発想の多様性を潰すようなことはしたくないと思っているので、その辺はなぁなぁだったりします。

 ただ、立ち回りに関しては別で、これやらなかったのは勿体ないということについては結構気になります。どんな試合も参考にならない試合はないわけですが、折角スクリーンで戦うワケですからお互いベストを尽くして接戦してもらいたいとも企画者として思うわけで、これを参考にするかどうかは兎も角として、躓きやすいのかなと感じる部分については特集を組むぐらいのことはしていこうと思っています。…なお、私は次回大会の対戦参加しませんので情報どうたらとかじゃありません。笑。