眠るのみで攻撃を受け回し続けるだけでは相手の攻撃を何発耐えられれば良いのか、貴方はご存知だろうか?
①眠るを繰り出すターン
②ぐうぐうねむっている(1回目)
③ぐうぐうねむっている(2回目)
…の3ターンでしょうか?
まず、これは不正解です。回復は間に合ってるように見えますが、これは防戦一方となるため、所謂急所待ちという状況にあたります。
これに加えて毒毒*1や電磁波によって④相手の反撃の手を緩めるために仕掛けるターンが必要になります。なお、寝言で寝ている最中に反撃できれば3発でもなんとかならなくもありません。
では、4ターンが正解なのでしょうか?実はそれも最初の質問の答えとしては▲。1対1の状況なら正解だと言えますが、私は「眠るのみで攻撃を受け続ける」ではなく「眠るのみで攻撃を受け回し続ける」と質問した意味を理解できているでしょうか?要するに2対2以上のサイクル戦となっているときのことを想定してるわけです。
この質問の答えは『役割対象の仮想敵に対して先手を取ってるなら4ターン、後手となる場合は5ターン』が正解です。役割対象の仮想敵に対して後手となる場合は更に1発耐える必要があります。
これについてはWEBサイトの方の『パーティ構築概論』という頁にしか書いてないので見落としてる人もいるかもしれません。本当に違うかどうか軽くシミュレーションをしてみましょう。
例としてはレベル55のサンダーの10万ボルトを超高確率で4発耐えられる、レベル51のサンダース(98.8%)とレベル55のカビゴン(96.24%)を例に挙げてみましょう。説明するまでもないでしょうけど、仮想敵のサンダーに対してサンダースは先手が取れ、カビゴンは後手となります。
なお、この例では眠るを選ぶターン(ぐうぐう消費なし)に苦手なポケモンをぶつけられ、1サイクル回して再度サンダー対策として受け出すところから考えます。
先手になるサンダースの場合
- を受け出し←①10万ボルト
- ぐうぐう(1回目)←②10万ボルト
- ぐうぐう(2回目)←③10万ボルト
- 目が覚めて反撃←④10万ボルト(急所期待)
- は眠るを選択←サンダース対策に交代して1へ戻る
後手となるカビゴンの場合
- を受け出し←①10万ボルト
- ②10万ボルト→ぐうぐう(1回目)
- ③10万ボルト→ぐうぐう(2回目)
- ④10万ボルト→目が覚めて反撃
- ⑤10万ボルト→は眠るを選択
御覧の通り、一連の行動をこなすまでに1回余計に10万ボルトを受けることになります。よって、受け回し続けるためには『役割対象の仮想敵に対して先手を取ってるなら4ターン、後手となる場合は5ターン』が必要となるわけです。
…とはいえ、実際この例のように眠るのみで受け続けるシチュエーションと言うのは、10年以上昔に比べると減っています。食べ残しも寝言も持たせないで眠るで受け続けるなんて今時ないでしょ?…それは確かにご最もなお話です。
しかし、こういうことをきちんと理解していると、何故今日のレベル55のカビゴンが食べ残しを持って寝言を持つべくして持っているのかとか、サンダーの攻撃技が10万ボルトの約25%増の火力の雷の場合だったらこれがどうなるかとか、何故カビゴンの取り巻きに電磁波の撒けるスターミーや宿木の種の植えられるフシギバナのようなサンダーに背中を向け過ぎない取り巻きで固められることが多いのかとか、そもそも致命的な弱点をほとんど持たないサンダーというポケモンが何故強いのか?等々の背景を掴むことができるからです。
流行のパーティ、派手な戦術に飛びつけば、すぐに勝てるようになるかもしれない。でも、そこから変に自己流アレンジして迷走してるとするならば、上辺だけで本質的な部分を理解してないってことですよね。少し遠回りにはなるかもしれませんが、たまにそれぞれの要素要素の強さの本質を自分なりに丁寧に解釈する時間を設けるのも悪くはないのではないでしょうか。
*1:大昔のカビゴンの技構成に毒毒が定番だったことはムウマへの牽制と鈍い恩返しカビゴンミラーを有利に進めることに加えて、こういった理由で採用されていた