もう1か月以上前ですが、『第10回ヒストリアカップ』改めてお疲れさまでした。同大会の26本の動画編集・投稿が漸く落ち着いたので、自分の使用した構築の反省記事を残しておきたいと思います。なお、大会のまとめ記事は近日公開予定です。
【未完の雨乞いめざ水ライコウA】4勝3敗
構築経緯
『第9.75回ヒストリアカップ』で『ヒストリアカップ』超絶人気ポケモンの食べ残し持ちの低レベルハガネールに対してイージーウィンを量産した目覚めるパワー水の55ライコウの使用感がそこそこ良かったため、今回も続投した。
練習会であまりにも活躍させ過ぎたので、私の55ライコウの目覚めるパワー水が警戒されることも、ハガネールの人気が落ちることも分かってはいたものの、ライコウミラー最強の鈍いライコウに対してなんだかんだハガネールが強く、減りはしても一定数使われる気がしたことと、後述する雨乞いを加えたときの崩し性能の高さが、型バレをしていたとしても全然通用するレベルだろうと考えたため、55めざ水ライコウの構築を続投することにした。
また、『ニンテンドウカップ2000』で定番の目覚めるパワー氷のライコウを所持しているプレイヤーは身の回りにちらほらいたものの、目覚めるパワー水のライコウの所持者がまだまだ少なそうだったので、自分がその役回りを買って出ようと思ったことも一因である。これは完全に動画投稿者目線での採用である。
単体解説(選出頻度順)
55ライコウ@薄荷の実(6/7)
雷/目覚めるパワー水/雨乞い/眠る
『第9.75回ヒストリアカップ』時点では、環境トップクラスのスピードからの気合の鉢巻発動に撮れ高的な浪漫を感じていたので寝言で採用していた。
しかし、寝言を使用する場面がほとんどなく、練習会で前回チャンピオンのおかしょーさんの日本晴れのエンテイに手も足も出ずボコボコにされるトラウマを植え付けられたことで、流石に動画投稿者として同じ負け試合を残すわけにはいかないので、練習会直後あたりからライコウへの雨乞いの採用を検討していた。
その一方で、ライコウの雨乞い採用ではなく、ニョロトノのストッパーも兼ねてギャラドスやマンタインでのエンテイ対策も評価していた。しかし、ニョロトノが目覚めるパワー電気や岩を持った場合に対策にならなかったり、エンテイだけのピンポイントな対策にすると、それはそれであからさま過ぎて選出で腐ることも目に見えていたので、最終的にはギャラドスやマンタインは採用せず、『見えづらい炎エース対策』としてライコウの雨乞い採用に踏み切ることにした。
雨乞いめざ水ライコウはこの環境においてセレビィが自己再生を覚えられず、そのほとんどが回復技不採用で影分身バトンタッチがテンプレになっていたことも大きく、この環境においての雨乞いめざ水ライコウはかなり刺さっていた。なお、これについてはカメックスブロック予選2位抜けのとりやまさんがPKマスタァ!さんとの試合でしっかりと証明してくれていると思う。
ちなみに雨乞いの採用は、雷と目覚めるパワー水を両方半減される草ポケモンの突破力も高めることができる。光合成の回復量を半減させ、必中になることで雷の追加効果で麻痺も狙い易くなるので、対草ポケモン攻略において特に不自由を感じることはなかった。
なお、大会直前で55ライコウではなく、55ニョロトノと50ライコウを同時に選出できる構築を採用しようかどうか揺れていた時期があったが、50ライコウの技構成のほとんどが雨乞いにタダ乗りされる雷ではなく、10万ボルトに偏っていることと、寝言が少なく後攻眠る読み雨乞いからの目覚めるパワー水急所待ちのパターンに入れて崩せることに気が付き、最終的に55雨乞いめざ水ライコウを採用することにした。
特に雨乞いのターン上書き仕様を活かした動きは第2世代の独自仕様であり、そういった第2世代ならではの立ち回りというものを視聴者に魅せることこそが私の役回りであろうと思っているところもあるので、動画投稿者目線でも物凄く都合が良かった。また、自分は2000年代後半頃に日本晴れ大文字目覚めるパワー草の55ファイヤーに滅茶苦茶ハマっていたこともあり、使っていて非常に楽しいポケモンであった。
50ムウマ@食べ残し(5/7)
怪しい光/黒い眼差し/滅びの歌/守る
『ヒストリアカップ2024』は様々な戦術が花開き、ライコウの強かった2003~2004年頃の金銀対戦環境に『一撃必殺技』『腹太鼓カビゴン』『セレビィ』を解禁したような対戦環境となっている気がした。
安直なサイクル戦を『ニョロトノ』や『グライガー』の一撃必殺技がそれを許さず、その対抗馬として『影分身→バトンタッチ』の『セレビィ』が採用された影響で、安直な自爆依存の対面構築も通しづらく、『鈍い吠える』や『腹太鼓』のような展開構築が強い環境なのではないだろうか?…というイメージが漠然とあった。
そこで環境に影響を及ぼしている、これらすべてに対抗できるポケモンとして「怪しい光」と「守る」を搭載した「黒い眼差し」「滅びの歌」のムウマに注目した。当初ムウマは、ライコウと、ライコウミラー対策のガラガラが増加する環境によって風当たりの強いポケモンという見方がされていたものの、カビゴンの技がゴーストに打点のないものが多かったり、55サンダー不在の影響で目覚めるパワー岩ヘラクロスが止めづらく、その対策となるエアームドに対して強い目覚めるパワー格闘型のヘラクロスも後々増えたことから、結果としてムウマが欲しくなる場面が増加しているように感じた。
また、ニョロトノに対して先手を取って怪しい光が打てるだけでも優秀で、地割れの被弾率を大きく下げることができ、地割れに対する合法2連守るによって滅ぼすこともできる。勿論、怪しい光と守るを採用して徹底しなくても、先攻で道連れできれば最低限は十分。ムウマで先手を取れることこそが、ケンタロスと比べてニョロトノが弱いところでもある。
ムウマのKPは今回たった4と控えめであったものの、その4名(オットポさん、1192さん、とりやまさん、私)がすべて勝ち越していることからも、今回の勝ち馬の1匹だったと思っている。
ただし、低レベルのガラガラがどうしても厳しいことに変わりなく、サンダーと比べると、ライコウと特別相性が良いわけでもない。低レベルガラガラを完璧に受けられるレベル55の鈍いミルタンクをサブエースとして採用することなども考えたが、構築としてうまくまとまることはなく、結局、低レベルガラガラ入りの構築には概ね苦戦を強いられる形となった。
ちなみにガラガラ以外でムウマの苦戦する吠えるを覚えたハガネールやゴローニャに対しては、目覚めるパワー水のライコウを刺しやすいという点では、ちょっとだけ相性が良かった。食べ残しが余ったので欲張ってみたが、ガラガラと共倒れになってライコウを倒すような動きができる道連れ型にして目覚めるパワー水や氷でも良かったのかもしれない。
それと鈍いライコウのテンプレが自分でもわからず、鈍いと10万ボルト搭載型がこんなにも多いと思っておらず、概ねムウマでなんとかなるのでは?と思っていたのは誤算だった。全対応できそうな鈍い八つ当たりめざ水ライコウの構築を一時期自分でも考えていたせいで勘違いしていたが、普通にハガネール突破を切って、エアームドの突破だけ考えるなら吠えるより10万ボルトの方が優先度が高いのは当然である。鈍いライコウの活躍した2000年代前半頃のように全抜きできないといけないみたいな思考で物事を考えてしまったのが本当に宜しくなかった。今回は鈍いライコウと予選で当たらなかったものの、そこの対策も甘かったように思う。
50エアームド@奇跡の実(4/7)
ドリル嘴/毒毒/吹き飛ばし/眠る
ライコウとなんだかんだでそれなりに相性の良いポケモン。バーチャルコンソール(GB)版の眠りの継続ターンが最大6ターンであるため、寝言を採用しないと眠り粉のナッシーが滅茶苦茶怖いところが微妙。運よく自分の予選ブロックではナッシーと交戦することがなかったが、フシギバナなら葉っぱカッターの火力が低く、おまけに1/4倍にできるので、素眠りでも眠り粉フシギバナの受け皿になるところは若干頼もしかった。
なお、エアームドでのカビゴン対策については、大文字で焼かれるのでまるで信用していなかった。練習会ではカビゴン対策にゴローニャを採用していたが、ニョロトノの起点にしかならない微妙なポケモンであることに気が付いて、最終的にカビゴンをムウマで見るような構築になってしまった。
また、カビゴンの大文字で焼き殺される場面はなかったが、ガラガラには焼かれた。もう少しガラガラ意識で泥棒採用型でも良かったのかもしれない。食べ残し持ちの毒毒守る型も検討していたが、持続ターンが命の雨乞いとなんか相性悪いかもしれないと思い、今回は採用しなかった。
ちなみにライコウの雨乞いと組み合わせれば、カビゴンやガラガラの大文字も実質等倍にできると、大昔に誰かから聞いたような気がするが、そんな場面はなかったし、雷持ちのカビゴンは寧ろ困るので、雨乞いが特段相性が良いとかいうことは特になかった。
50パルシェン@水玉リボン(3/7)
冷凍ビーム/撒きびし/鈍い/大爆発
ライコウに雨乞いを採用したことで、練習会で使っていた光合成を覚えたナッシーと相性が悪かったので、カビゴンとガラガラの並びに強めなポケモンとして代わりに採用してみたものの、滅茶苦茶弱かった。
これまでガラガラにそれなりに強い55カビゴンや55サンダー、55ミルタンク、55冷凍ビームor波乗りを覚えたバンギラスを使うことが多かったため、すっかり忘れていたが、ガラガラにワンパンされるようなエースポケモンでは、ガラガラ対策の使い捨てパルシェンなどガラガラへの脅威にはまるでなり得なかった。
正直、使い捨ての大爆発型の先制の爪めざ虫ナッシーか、スイクン、若しくは鈍い吠えるライコウ対策のガラガラで良かったように思う。
50カビゴン@光の粉(2/7)
のしかかり/爆裂パンチ/寝言/眠る
雨乞い雷型のライコウの弱点として、怪しい光身代わりのスターミーにとても弱いと言ったことが挙げられる。勿論、今回のルールの関係上、相手のスターミーよりライコウのレベルは高くなるのでスターミーに先手は取れるものの、受け出しで電磁波を受けてしまうと先手を取られて苦戦してしまう。そこでスターミーのクッションとして、それに対抗できるのしかかりと爆裂パンチを採用したカビゴンを採用せざるを得なかった。自分が先制の爪カビゴンを使うタイプのプレイヤーではなかったので敬遠していたが、それでも良かったのかもしれない。
ちなみに、怪しい光身代わりのスターミーの対策は怠らなかったものの、怪しい光身代わりのクロバットに関しては完全に構築段階で想定外であった。目覚めるパワー水ではクロバットの身代わりを破壊することができず、ワンテンポ遅れて雨乞いを展開しなければ、身代わりを確実に壊せず、ボコボコにされてしまった。クリスタルバージョンの野生のゴルバットLv.16を厳選してきたきっしーさんが偉いし、寧ろボコボコにされて清々しいまであった。
55ヘラクロス@気合の鉢巻(1/7)
メガホーン/目覚めるパワー格闘/堪える/起死回生
55ライコウだとやや分が悪いバンギラスエースの構築を刺せる駒として、最後に厳選していた目覚めるパワー岩を覚えたニョロトノが生まれなかったので、やむを得ず、代わりに採用した。
ただし、この対戦環境におけるバンギラスエースのテンプレ型が分からず、大会直前までサンダーなどで止まる目覚めるパワー格闘か、エアームドで止まる目覚めるパワー岩かで悩むことになった。エントリー締め切り直前で何故ERRORさんに借りてまで格闘にしようと思ったのかは覚えていないのだが、結果的には岩の方が良かったと感じられる場面が多かった。
それとヘラクロスはヘラクロスで止まる問題も悩ましかった。久しぶりにヘラクロスを使ってみて改めて気が付いたことだが、ヘラクロスはヘラクロスミラーまで意識すると刺し役に向かない。55ライコウと55ヘラクロスのダブルエース構築ミラーをアかツキさんとして、それに気が付かされた。
総括
今回は新ルール一発目の大会と言うことで、最新作の新レギュレーションの1シーズン目のように『勝ち馬を探そう』というアプローチをもって臨んだこともあり、雨乞いライコウや怪しい光滅びの歌守るムウマといったポケモン単体の個人技でなんとか勝ち越せたものの、しっかりとした強い並びを組むことができなかったように感じている。煮詰める時間も少し足らなかった。
ただ、このような制限ルールを取り組むことで、普段触れないポケモンに久しぶりに触れ、色々な細かい気付きがあったのはとても良かった。こういった気付きは『ニンテンドウカップ2000』の対戦に戻ったときにもきっと活かされるだろうと個人的に考えている。禁止されているポケモンの強さを改めて知ることにも繋がるし、より第2世代の対戦環境の解像度が高まるものだと考えている。
そのような狙いをもって、ルールの調整に難航してしまい、何度かルール変更をして翻弄させてしまった方には申し訳なかったものの、前回大会を大きく上回る対戦参加者が集まってくれたことは本当に有り難かった。
思いのほか、参加者や視聴者の方から好評だったので、次回もこれと同じルールの開催を春頃に予定している。次回はこの構築を更に磨くか、別のものに手を出すかは分からないが、私も予選抜けができるように頑張りたい。